IBM、スタートアップと協業で特許ビジネスにおけるNFT活用へ
ビジネスでNFTを活用へ
アートやゲームといった分野で活用が急速に進んでいるNFT(ノン・ファンジブル・トークン)だが、ビジネスの分野でも活用する動きが出てきた。
テクノロジー企業のIBMは特許取引プラットフォームのIPweと提携し、IBM Blockchainを通じて、NFTやデジタル資産として「特許」を活用する計画を発表した。
特許のトークン化の狙いを、IBMはプレスリリースで以下のように説明する。
知的財産(IP)のトークン化は、特許をより簡単に売却したり、取引を行ったり、商業化したり、あるいはマネタイズすることが可能になり、この資産クラスへの新たな流動性を、投資家やイノベーターにもたらす。
そのほかにも、透明性や、取引コストの効率化などがトークン化によるメリットとして挙げられている。
特許市場は、透明性の欠如などにより市場の整備が進んでいないとされる。IPwe創設者のエリック・スパンゲンバーグ氏は、CNBCの取材に対し、特許市場において2~5%程の知的財産しか評価されていないと指摘した。
IPのトークン化によって、透明性のある取引が期待できるだけでなく、IPをバランスシートに載せることも可能になり、担保として資金調達に活用するといったことも考えられるという。
第2四半期にも実験を開始
IPweはAIとブロックチェーンを活用した特許取引プラットフォームを提供しているスタートアップ。単にデータベースを提供するだけでなく、特許の分析や評価(価値や特許消滅の可能性など)などを手掛けている。
IBMとは、過去3年間にわたって協業関係にあり、IBMのブロックチェーンやAIといったプロダクトをサービスに利用してきたという。
IBMはブロックチェーンのソリューションを提供しており、国内では岩手銀行が2020年11月に、電子契約の実証実験で同社のブロックチェーンを利用している。
関連:岩手銀行、IBMブロックチェーンプラットフォームの実証実験開始
プレスリリースによると、今後、NFT化した特許の実証実験を2021年の第2四半期にも開始するとしている。また、第4四半期にはトークン化されたIPの販売を開始できると見込んでいるとのことだ。
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