複数のヘッジファンドが仮想通貨投資運用を計画 DeFi(分散型金融)の金利にも着目 TheBlock報道
仮想通貨市場参入か
大手ヘッジファンドPoint72が、暗号資産(仮想通貨)市場への参入を計画していることが分かった。CoinPostの提携メディアThe Blockが、複数の情報筋の話として報じた。
自社のベンチャーキャピタル部門であるPoint72 Venturesを通じて出資を行い、ヘッジファンドとしてロング・ショート戦略で仮想通貨へ投資する予定だと説明している。
ロング・ショート戦略とは、価格上昇が期待できる銘柄にロング(買い)を入れ、同時に価格が下落しそうな銘柄をショート(売り)する投資手段。
相場がどちらの方向に動いても中長期的に利益が期待できるが、ロングとショートの比率を綿密に計算する必要があったり、手数料が両方にかかるというデメリットもある。
Point72は、億万長者のスティーブン・コーエン氏が設立した企業。公式ホームページよると、今年4月1日時点の運用資産額は220億ドル(約2.4兆円)超に上る。日本を含め、12のオフィスを構えるヘッジファンドだ。
情報筋の話では、Point72は仮想通貨市場への参入で大きな利益を上げることを目指しているという。今年2月には、1月に大きな損失を抱え、金融市場で新たな投資機会を探っていることが報じられていた。
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今回のThe Blockの報道後、ブルームバーグはPoint72が投資家に宛てた書簡を入手。Point72は投資家に、「我々は2兆ドル(約219兆円)規模の仮想通貨市場を無視できない」と説明したという。なお、この書簡の中では「どのような方法で、いつ仮想通貨市場に参入するかは今後伝える」としている。
他のヘッジファンドも参入か
Point72以外でも、同じ大手ヘッジファンドのMillennium ManagementとMatrix Capital Managementの2社が、仮想通貨市場への参入を計画しているという。仮想通貨メディアCoinDeskが情報筋の話として報じた。
情報筋はこの2社について、Millennium Managementが仮想通貨ファンドを立ち上げるために人材を探しており、Matrix Capital Managementは、すでに仮想通貨チームを作ったと述べている。
また、具体的な企業名は明かさないが、Point72を含めた3社のうち2社が、DeFi(分散型金融)を活用すると説明。DeFi関連の銘柄を購入するだけでなく、流動性提供を行なって金利を稼ぐ方法にも注目していると明かした。The Blockの情報筋はDeFiの話をしていないことから、Point72以外の2社を指していると見られる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します