はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

未曾有の踏み上げ相場で米ゲームストップ株暴騰、仮想通貨にポジティブとの評も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

機関投資家VS個人投資家

米ゲームソフト小売大手「ゲームストップ」の株価(GME)が、年初来リターン1700%超と記録的な急騰を見せ、話題をさらっている。

この急激な株価上昇を主導したのは、米ソーシャルニュースサイトRedditの投資フォーラム「wallstreetbets」(以下WSBと表記)に集う個人投資家の一団とされる。

同社株に空売り攻勢を仕掛けていたウォール街のトレーダーやヘッジファンドに挑戦する形で、同社株を一定の価格で購入する権利(コールオプション)などを駆使して大量の買いを入れたことを受け、ファンド側のヘッジ買いを誘発。未曾有のショートスクイーズとされる前代未聞の踏み上げ相場へとつながった。

最終的に、ヘッジファンド運用会社Melvin Capital Managementが、27億5000ドル(約2860億円)の救済資金措置を受けるなど、ウォール街の機関投資家に数十億ドル規模の損失をもたらす結果となった。執筆時現在、ゲームストップ社の時価総額は、242.4億ドル(約2.5兆円)となっている。

これを受け、米証券取引委員会(SEC)が、「市場のボラティリティに関する共同声明」という形で緊急声明を出すなど大きな波紋を呼んでいる。

空売りファンドに業を煮やしていた個人投資家から歓迎する向きがある一方、ある意味無秩序な素人集団と機関投資家とのパワーバランス変容は、市場の不確実性を極端に高めるリスクもある。新たな時代の規制面を含め、さまざまな議論を呼び起こしそうだ。

ビットコインにポジティブか

このような状況を受け、投資会社SkyBridge Capitalの創設者Anthony Scaramucci氏は、このように個人投資家の存在感が強まる時代は、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)にポジティブな結果をもたらすと主張する。

「ゲームストップ株の活動は、ビットコインが上手くいくという概念実証だ。」

米国では、約1500万ユーザーを擁する株取引アプリ「ロビンフッド(Robinhood)などが急速に普及し、単元未満で購入可能な手軽さと株取引の低コスト化が受け入れられ、テスラ株などの高騰につながったとされる。Scaramucci氏は、かつて閉鎖的だった株式市場は「民主化」していると示唆。分散型金融を肯定するものであり、「(小口)個人投資家時代」が到来したと述べた。

「どうやって分散化された民衆に勝つつもりなのか。」と問いかけるScaramucci氏は、この時流について「真摯に受けためた方が良い」と注意を促している。

WSBのルール

一方、ゲームストップ株急騰の立役者であるWSBは、仮想通貨に関する投稿を許可しておらず、「ビットコイン」をはじめとする仮想通貨関連用語を含む投稿やコメントは承認されない。

また、時価総額10億ドル未満の株や、詐欺やあからさまな価格吊り上げなどの影響を受けやすい「無価値な証券」は禁止というルールも設定している。そのため、WSBから直接的に仮想通貨高騰につながるような動きが起きるとは考えにくい。

仮想通貨取引所FTXにGMEトークンが上場

そんな中、ゲームストップ株の急騰を見逃さない仮想通貨取引所も現れた。大手仮想通貨デリバティブ取引所のFTXが、GME株をトークン化し、現物取引と先物取引のサービスを開始した。

FTXのCEOは、GME株の上場を希望する顧客からの声は、これまでで最も高かったとコメントしている。

FTXは昨年10月、トークン化された株式や先物の提供を開始している。アップルやアマゾン、テスラなどの大手企業の株式をトークン化したデリバティブなど、12種類をこえるトークンの取引が可能。また、所有権の分割により1株未満の取引できるため、「値嵩株」でも個人投資家が手ごろな価格帯から売買できることが特徴だ。

関連:仮想通貨取引所FTX、アップルやテスラなどトークン化された株式を1株未満売買可能に

規制当局の声

ゲームストップ株を含む市場の大きな価格変動に対し、規制当局である米証券取引委員会(SEC)は1月27日、次のような声明を出した。

「我々は、オプションおよび株式市場における継続的な市場変動を認識しており、能動的に監視している。また、投資家を保護し、公正で秩序のある効率的な市場を維持するという使命に基づき、当局は他の規制当局と協力して、状況を評価し、規制対象となる事業体や金融仲介業者、その他の市場参加者の活動を審査している。」

また、米CNBCの金融番組に出演した米ナスダックのAdena Friedman最高経営責任者は、同取引所はソーシャルメディアのチャットを監視しており、特定の株式の異常な活動とチャットの内容が一致した場合には、取引を停止すると語った。

なお、ゲームストップが上場しているのはニューヨーク証券取引所で、ナスダックではない。

Redditとイーサリアム財団が提携

Redditは1日5000万人以上のユーザーを抱え、幾多ものコミュニティが集うソーシャルプラットフォームだ。今回、株式市場に大きな影響を与えたことからも、注目が集まっている。

仮想通貨・ブロックチェーンに関する大きな動きとしては、1月27日、Redditがイーサリアム財団と提携し、初のブロックチェーンパートナーシップを確立したと、Redditの管理者「u/jarins」が発表した。

この提携の意図は、スケーリングの進展を加速させることや、イーサリアム上で、コミュニティポイントなどの大規模なアプリケーションをローンチするために必要な技術の開発を支援することだという。 この提携により、開発されたスケーリングに関する技術は、オープンソース化され、誰でも利用できるようになるとu/jarinsは述べている。

テクノロジーを通して個人の力を結集することで、大きなうねりを起こすことが可能な時代となってきた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧