UniswapでUNIの流動性マイニング 再び提案を実施
v3によるUNI流動性マイニングの提案
大手DEX(分散型取引所)Uniswapのガバナンストークン「UNI」の第2弾の流動性マイニングプログラムについて、提案書が再びコミュニティフォーラムに提出されている。
流動性マイニングとは
流動性マイニングは、流動性提供の対価として利息のほかに「ガバナンストークン(ガバナンスへの参加権を表現するトークン)」が付与されることを指す。
UNIの流動性マイニングの第一弾は昨年11月に終了。その後は第二弾について提案がされたものの、採用に至らなかった。
今回の提案は、Uniswap v3で実施されることを目的とするもので、先日イーサリアムのL2(セカンドレイヤー)ソリューション「Optimistic Ethereum」でv3がソフトローンチされたことを踏まえ、v3の流動性およびそれにおける市場参加者を拡大する狙いがあるという。
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v3は5月にローンチされたUniswapの最新バージョンで、価格範囲を限定して流動性を提供する集中流動性(Concentrated Liquidity Positions)の導入など、複雑な仕組みが特徴だ。
提案の詳細
提案によると、流動性マイニングは約6ヶ月(2四半期)に渡り継続するもので、計165万UNI(当初予算)が分配されることになる。
また、トークンペアとそのリスクによっては、その分配率が異なる。以下がそれぞれの流動性プールと配当率だ。
ステーブルコインペア(低リスク):UNIの合計分配量は186,939UNIで、得られる取引手数料は年間0.05%となる。
各プールの運用資金の目標額は2.5億ドル(約270億円)とされる。
- USDC/DAI
- USDC/USDT
- DAI/USDT
ミッドテール(中リスク):UNIの合計分配量は623,130.61UNIで、得られる取引手数料は年間0.30%となる。
各プールの運用資金の目標額は1億ドル(約100億円)とされる。
- LINK/ETH
- YFI/ETH
- MKR/ETH
- AAVE/ETH
- COMP/ETH
預り証トークン:UNIの合計分配量は9,970.09UNIで、得られる取引手数料は年間0.05%となる。
各プールの運用資金の目標額は1,000万ドル(約10億円)とされる。
- DAI/cDAI(Compound)
- USDC/aUSDC(Aave)
- ETH/wstETH(Lido)
- USDC/PcUSDC(PoolTogether)
また、これのインセンティブプログラムを管理するために、提案者は「Uniswap Liquidity Program」の設立も提案。8名の委員で構成され、そのうちの5名はコア委員となる。ほかの3名はコア委員、およびマルチシグのプロセスを監督する役目を果たす必要があるという。
委員にもインセンティブが設けられ、5名のコア委員に1四半期で計2,917UNI、3名の監督委員には計300UNIを与える仕組みだ。
また、コア委員のタスクには、随時コミュニティにアップデートの報告書を提出し、流動性マイニングプログラムの進捗を監視するなどがある。
次のフェーズ
現在提案はコミュニティフォーラムに掲載されたが、実行するためにはUNI保有者による投票が必須だ。
提案者は、「7月16日からの5日間コミュニティによるフィードバックを収集し、関連する指摘を取り入れていく。その後は、オンチェーン投票の前に、当提案に対するスナップショット投票を行う予定だ」と説明した。
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