ビットコイン3万ドル割れで年初来安値迫る、各指標が示唆するものは
ビットコイン相場と金融マーケット
21日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比-1.76%の327万円(29,800ドル)とやや反発した。
31,000ドルの下値支持線を割り込み大幅下落したが、直近安値28,900ドル付近の29,300ドルで下げ止まった。
昨日は、伝統金融市場の地合い悪化の影響のほか、海外大手メディアで「BlockFi」が米ニュージャージー州の司法長官から排除措置命令を受けたと報じられたことも投資家心理の悪化を招いた。
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対して21日は、米国株式市場でダウ平均が前日比549ドル95セント(1.6%)高と大幅反発したこともあり、投資家心理の改善が見て取れる。
相場の過熱感を示す週足のRSI(相対力指数)は、今年1月時点で90%を超えていたが、現在は40%台まで大幅下落これは2020年3月のコロナ・ショックや、2019年に14,000ドルから6,000ドル台まで大幅下落した時の水準に匹敵する。反発局面では、まずは心理的節目の3万ドル上に回帰できるかどうか、上値抵抗線31,000ドルを抜けることができるかどうかが焦点となりそうだ。
Moskovski CapitalののLex Moskovski(@mskvsk)氏は、Glassnodeのデータを考察。1,000〜10,000BTCを保有するクジラが、5月中旬以降「蓄積フェーズ」に移行している点について取り上げている。
各指標が示唆するもの
デリバティブ市場の沈静化、及びファンディングレート(資金調達率)の低さも目立っているが、これは一概にネガティブな指標ではない。2021年以降の強気相場では度々、証拠金維持率を下回ったポジションのロスカットが連鎖的に発生することで相場のクラッシュを招いていたが、そのような市場環境ではなくなりつつあることを示している。
注意すべきは、売却目的と思しき仮想通貨取引所へのインフロー(資金流入数)と、先物市場における未決済建玉(OI)の増加だろう。
Santimentのデータ観測では、6月下旬以来となるインフロー急増が確認されていた。
また、Arcane Researchの調査によれば、ビットコイン相場の週間ボラティリティ(価格変動性)は縮小傾向にあり、20年10月以来となる1.68%まで低下した。一方、ボラティリティ拡大要因となり得るOIは、最初の暴落直後の5月末を底にして増加傾向にあり、以降+95,000BTCほど増加した。
なお、仮想通貨のオンチェーン・データ分析サイト「IntoTheBlock」のIOMAPインジケーターによれば、26,120ドル〜27,000ドルで約75,000アドレスが約170,000BTCを購入しており、このボリューム帯を下回った場合、含み損を嫌気した投げが加速する可能性もある。
IOMAPは、機械学習を用いて現在価格の「+/-15%」の範囲で投資家のポジションを分析。最も関連性の高い10のクラスターを判定したものだ。投資家のポジションを定量化することにより、サポート/レジスタンスラインを補完するための参考データとして使われることがある。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します