Paxos、米ドル建てステーブルコインの準備金内訳を明かす
PAXとBUSDの準備資産
米の暗号資産(仮想通貨)関連サービス企業Paxosが、自社ステーブルコインの準備金内訳を明らかにして、テザー(USDT)など他の組織が発行するステーブルコインと比較してみせた。金融当局に規制を受けた、より信頼性の高いものであると強調した形だ。
Paxosが発行するステーブルコイン、Paxos Standard(PAX)とBinance USD(BUSD)の準備資産は、96%が現金または現金同等物であるという。双方ともに、米ドルと紐付けられたトークンである。なおBUSDは、仮想通貨取引所バイナンスと提携して発行されているものだ。
Paxosは競合するステーブルコインである、USDコイン(USDC)とテザーについて「準備金が、金融規制当局によって包括的に監視されていない」と指摘。準備資産における現金または現金等価物の割合はUSDコインで61%、テザーで2.9%であるという最近の報告を引用した。
テザーは5月に初めて準備資産を公開し、その内容が一部で問題視された。仮想通貨銀行AvantiのCEO、Caitlin Long氏も、テザーの準備資産の約半分がコマーシャルペーパー(CP)として保有されているが、契約先企業など詳細は明かされていないことを懸念している。
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コマーシャルペーパー(CP)
企業が短期で資金調達する際に発行される約束手形。社債と同様の性質を持つが、社債の償還期間が1年以上であるのに対し、CPは1年未満で30日以内の場合も多い。
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ニューヨーク金融当局が承認・監督
Paxosは、規制されたドル建てステーブルコインとしてPaxos StandardとBinance Dollarの他に、Gemini Dollar(GUSD)も挙げた。GUSDは、 仮想通貨取引所Geminiによって発行されたコインである。
PAX、BUSD、GUSDはどれも、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)によって承認され監督されているという。Paxosは、こうして規制されていることにより、次のようなことが確保されると説明した。
- ステーブルコインの価値が米ドルの価値と直接結びつき、準備されている米ドルの金額はステーブルコインの残高と同等以上。
- 準備金は米国財務省証券など、最も安全な形式でのみ保有できる。
- 準備金はニューヨーク銀行法に従って企業資産から完全に分離して保管されている。
以上のように、競合するステーブルコインに比較して自社トークンの安全性を強調した格好だ。
米国で、ステーブルコイン発行企業は、全国的な連邦規制制度の対象になっておらず、各州によって規制されている。2月にニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は、テザー社がステーブルコインの裏付けとなる米ドルを十分に保有していなかったことから、同社が州内で活動することを禁止した。
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