CoinPostで今最も読まれています

米SECゲンスラー委員長「有価証券を裏付け資産に持つ仮想通貨は証券法を遵守すべき」 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の有価証券性

米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は、有価証券を裏付け資産に持つトークンやステーブルコインなどの暗号資産(仮想通貨)関連商品が、有価証券に分類される可能性があるという見解を示した。

具体的な名称は挙げていなかったようだが、バイナンスやFTXが提供を開始した株式トークンのような商品を念頭に置いた発言と見られる。こういったサービスを提供するプラットフォームは、中央集権型でも分散型であっても、米連邦証券法を遵守して報告義務にも従い、SECの管轄下に置かれるべきだと語った。

株式トークンとは

上場企業の株式をトークン化した金融商品を指す。

バイナンスは、アップルやコインベース、テスラなどの株式をトークン化して取引サービスを提供。バイナンスの株式トークンは、米国や中国本土など一部の地域はサービス対象外となっているが、その他の国の規制当局から注視されている。

▶️仮想通貨用語集

関連香港とリトアニア、仮想通貨取引所バイナンスに警告 株トークンの中止も

ゲンスラー委員長は21日、デリバティブや先物に関する、米法曹協会主催のオンラインイベントでプレゼンテーションを行なった。今回の発言はそのイベントで行われたもので、仮想通貨に関する話は、プレゼンテーションの最後に行われた模様だ。

ゲンスラー委員長は「プレゼンテーションを終える前に、仮想通貨などの金融技術や有価証券に基づいた取引について議論したい」と前置きして上述した話を開始。「有価証券の価値によって価格が決まるトークンやその他の金融商品を提供しているプラットフォームがあり、そういった金融商品がデリバティブのように提供されている」と指摘した。

その上で「その商品が株式トークンであっても、また有価証券を裏付け資産に持つ価格が安定したトークンなどの商品であっても関係ない」とし、「こういった商品を提供するプラットフォームは、中央集権型か分散型かに関わらず、連邦証券法に従うべきだ」と語っている。

そして最後に、「我々は、今後もあらゆる手段を使って、投資家を確実に保護できるように取り組んでいく」と結んだ。

規制対象となる可能性のある金融商品

ゲンスラー委員長がSECのトップに就任したのは今年4月。今回ゲンスラー委員長が示した見解は、SECの前体制から変わっていない。

例えば2020年7月、SECは米商品先物取引委員会(CFTC)と共同で、仮想通貨・株式の投資アプリAbraを運営する米国企業らに、計30万ドル(約3,300万円)の罰金を科すことを発表した。

「Abraおよびフィリピンの提携企業Plutusは、正式な法的登録を行わずに、米国の個人投資家に有価証券のデリバティブ商品を提供した」と主張。また、正規ライセンスを持つ取引所で取引を行なっていなかったとも指摘している。

当時、仮想通貨業界の弁護士Marco Santori氏は、「株式・上場投資信託(ETF)などを原資産とする合成証券化取引(インデックスファンド等をトークン化したデジタル資産の取引など)を提供するAbraが、当初米国の個人投資家に向けてサービスを提供していたことで、『適格投資家にしか販売していはいけない』とする条項を違反していた」と説明。

たとえ現物の株式等ではないケースでも、米国では適切な登録が必要で、登録なしに米居住者へサービス提供を行う場合は法に触れることになることが明らかになった。

関連トークン化したデリバティブ商品も規制対象に 米SEC・CFTCがAbraを摘発

また最近では、ステーブルコインの時価総額としては1位と2位のUSDTとUSDCが裏付け資産を公開。どちらも債券やコマーシャルペーパーといった有価証券を裏付け資産に含んでいるため、今後はステーブルコインも有価証券に分類される可能性があるとの見方も出ている。

関連米Circle、仮想通貨ステーブルコイン「USDC」の裏付け資産を公開

米国では最近、ステーブルコインの規制を求める声が多い。今週にはイエレン米財務長官が、米金融規制当局の責任者たちに、ステーブルコイン規制の策定を促した。

関連イエレン米財務長官、ステーブルコイン規制を促す 米政府の討論会で

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
12:30
コスモス基盤のInjective、Web3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能提供
レイヤー1ブロックチェーンInjectiveは、Jamboテクノロジーと提携してWeb3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能を提供すると発表した。
12:00
知らずに損しているかも?取引所選び 3つの注意点
ビットコインなどの投資初心者に大事な暗号資産(仮想通貨)取引所選びと、後悔しがちな代表的な失敗事例3つを解説。手数料、価格、取扱銘柄の違いを比較し、最適な仮想通貨取引所を見極めるポイント、賢い投資戦略と失敗回避のためのチェックリストも提供。
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧