警告する国が増加
香港とリトアニア共和国は仮想通貨取引所バイナンスに対して、警告を行っていることがわかった。
香港証券取引委員会(SFC)は16日に、バイナンス・グループが同地域で無登録でサービスを提供していることを指摘。具体的に問題視しているのは、バイナンスが提供する「株トークン」だ。
バイナンスは4月から、Binance Stock Tokensというトークン化された上場企業の株式の取引を開始したが、その直後、英金融行為規制機構(FCA)らを含む欧州の規制当局および香港証券取引委員会によってその正当性について調査されていることが報じられた。
今回SFCの警告はその調査結果に関連しているとみられる。SFCは発表で、「株トークンが有価証券であれば、そのトークンに関するマーケティングおよび配布は香港では規制される業務となり、SFCからライセンスを取得する必要がある」と説明した。
SFCの報道の前に、バイナンスは株トークンの販売を直ちに中止すると発表していた。全てのサポートは10月14日に終了し、欧州圏(EEA)及びスイス在住の顧客は10月15日の約2週間前から、CM-Equityのポータルサービスを代わりに利用することができるようになるという。
バイナンスは株トークンを提供するために、ドイツで登録している投資会社CM-Equityなどと提携しているが、CM-EquityのMichael Kott CEOはThe Blockの取材で、「バイナンスは株トークンを中止しなくてはならないわけではない。強制的ではないのだ。」とコメントした。
CM-Equityはバイナンスのほか、FTXとBittrexの株トークンにもサービスを提供しているが、Kott CEOはなぜ規制当局がバイナンスにだけ警告をしているか、理由を知りたいと話した。一方、バイナンスは株トークンの中止について「ビジネスのフォーカスを別のプロダクトへ移している」と発表で説明している。
リトアニアも
また、同日には欧州国のリトアニアの中央銀行もバイナンスに対して、「ライセンスを持たずに投資サービスを提供している」と指摘している。
15日にも、イタリアの国家証券委員会(CONSOB)がバイナンス・グループが同国内で運営する権限がないと警告したばかりだ。バイナンスは最近複数国の当局から相次いで無登録による運営などで警告を受けている。以下が警告などをした国のリスト。
- 6月25日:日本金融庁
- 6月26日:英金融行動監視機構
- 7月1日:シンガポール中央銀行
- 7月1日:ケイマン諸島通貨局
- 7月2日:タイ証券取引委員会
- 7月15日:イタリア国家証券委員会
- 7月16日:香港証券取引委員会
- 7月16日:リトアニア中央銀行
各国の同社に対する規制当局の目が厳しくなっていることを受け、Changpeng Zhao最高経営責任者(通称、CZ)は7日、公開書簡を発表。規制や仮想通貨業界の今後について、バイナンスの考えや取り組みを説明した。
バイナンスが現在取り組んでおり、今後も継続していくこととして、以下の3点を挙げている。
- 国際的なコンプライアンスチームの強化
- コンプライアンス遵守のためのパートナーシップの拡充
- 地域ごとの規制の準拠