民間ステーブルコインに課税案 中銀デジタル通貨推奨で=米FRB・イェール大学レポート 

米経済学者ら、CBDCレポート公開

米イェール大学と連邦準備制度理事会(FRS)のエコノミストらは17日、ステーブルコインの発行に関する論文を発表した。

米FRBはCBDC(中銀デジタル通貨)を発行し、民間発行型のステーブルコインに課税することでテザー(USDT)やディエム(Diem)などの利用に制限をかけ(追い出す)、CBDCの活用を促す内容を提唱した。

49ページにわたる論文を発表したのは米名門校エールの経済学者であるGary Gorton氏と米国連邦準備制度の経済学者であるJeffery Zhang氏。両氏は民間企業が発行するステーブルコインを「山猫」(wildcat)に例え、18世紀に米国の商業銀行が発行した「民間銀行紙幣」と酷似していると分析。

当時は複数のプライベートバンクが異なる独自の通貨を発行していたが、価格が乱高下したため、利用しづらい状況に発展。その後、米政府が「国法銀行法」を施行することで、政府が単一の国家通貨を発行する仕組みが導入され、「競合」に当たるその他の独自通貨は課税対象となることで利用が途絶えた経緯があるとした。

このような歴史的な例をふまえ、論文はテザーやディエムといった民間発行型のステーブルコインが将来的には米政府が発行するべきCBDCの仮想敵になると予測。18世紀と同様、課税することでCBDCの利用を促すべきとの結論を呼びかけた。

また、米政府が発行するCBDC(中銀デジタル通貨)についても、時代とともにお金の在り方も変化する必要性を指摘。19世紀に国家統一型の米ドル紙幣の発行を開始したように、米議会は連邦準備制度によるCBDCの発行を始めるべきだとしている。

ステーブルコインの討論会

米国ワイオミング州における仮想通貨関連法案の策定に貢献した経歴を持つCaitlin Long氏は論文の公開が、ステーブル討論会の開催発表の翌日に行われた点に注目した。

米イエレン米財務長官は16日、ステーブルコインについて討論する大統領作業部会を米時間19日開催する方針を発表。イエレン長官は以下のようにコメントしていた。

規制当局が一堂に会することで、ユーザーや市場、金融システムに及ぼすリスクを軽減しつつ、ステーブルコインの潜在的なメリットを評価することができる。

デジタル資産の急速な成長を考慮すれば、この分野の規制と新たな当局への推奨事項の策定について、各機関が協力することが重要だ。

FRBのパウエル議長やSECのゲンスラー委員長、CFTCのベーナム委員長といった米金融規制当局の官僚も参加予定。

米政府は現段階では、CBDCを発行する方針は示していないが、中国のデジタル人民元(e-CNY)発行を踏まえ、CBDCに関する研究を進めている。

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