決済アプリ大手PayPal、米国居住者向けに株式取引プラットフォームを検討か
株取引プラットフォーム提供へ
昨秋、暗号資産(仮想通貨)取引サービス提供を開始した米決済大手PayPal社が、株式取引プラットフォームの提供を検討していることが判明した。匿名筋の話として米メディアCNBCが報じた。
計画に携わる2名の関係者によれば、PayPal社の「Invest at PayPal」部門は、個人株取引を提供する計画を進めていると発言。まずは、米国ユーザーを対象にサービス提供を目指しているという。
また、サービス拡張を視野に入れたPayPal社は、ブローカー業界で経歴を持つRich Hagen氏を同部門のCEOとして招聘。関係者によれば、株取引サービスの提供は、2022年以降になると見込みとしている。証券会社としての機能を有するための承認を得る場合、米規制当局「FINRA(金融業規制機構)」を通じて新たなメンバーシッププロセス(認可)を完了する必要があり、この手続きには8ヶ月以上を要するという。
一部では、既存のブローカーディーラーと連携して株式取引を提供する可能性があると考察もある。関係者によれば、すでに買収・連携を視野に入れた話も進められている。
米国で人気高まる個人投資
PayPal社の株式取引サービス提供を検討する背景には、米国内での若年層からの投資熱の上昇がある。米国ではコロナ禍に入り、米政府が3度にわたり給付金を国民に支給。感染防止対策の一環として自宅待機を迫られた時期に、ロビンフッドなどの投資アプリを介して投資を始める投資家が急増していた。
21年1月下旬には、SNS掲示板Reddit(レディット)上でいわゆる「ミーム銘柄」に対する注目度が集まり、ゲームストップやAMCなどの株式で大規模なショートスクイーズが発生。大手ヘッジファンドが多額の損失を被った。
この流れに便乗して、米投資アプリ「ロビンフッド」ではドージコイン(DOGE)を筆頭とした仮想通貨の取引に注目が集まっていた。
PayPal社は昨年11月、米国居住者向けに仮想通貨の売買サービス提供を開始していた。みずほ証券がその後実施した調査では、アンケート回答者の2割がPayPalアプリ上でビットコイン(BTC)を売買したと答えていた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します