DeFiやスマートコントラクトにも関心
米決済大手ペイパル(PayPal)は、スマートコントラクトやDeFi(分散型金融)にも関心を持っていることが分かった。
同社のDan Schulman最高経営責任者(CEO)が、既存の金融サービスは送金に時間がかかることや、今でも銀行のサービスを受けられない人々がいることなど現在の金融課題を指摘。新しい技術を使って、今よりも効率的で、誰でも利用できるシステムを作るために、スマートコントラクトやDeFiの活用についても考えていると語っている。
ペイパルは28日、2021年第2四半期(4月から6月)の決算を発表。今回のSchulman氏の発言は、その収支報告会でのものだ。金融メディアの運営などを行うThe Motley Fool社が、収支報告会の発言を文字に起こしたものを公開したほか、CoinPostの提携メディアThe Blockらの海外メディアも今回の発言を報じている。
Schulman氏がスマートコントラクトやDeFiに言及したのは、バークレイズ投資銀行のアナリストからの「今後、どのように暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンのエコシステムに関わっていこうとしているのか?」という質問に答えた時だ。
Schulman氏はまず、現在の仮想通貨事業に勢いを感じており、仮想通貨購入時の利用可能額を引き上げたことなど、少しずつ機能を追加していると説明。そして、ペイパルとしては早ければ来月にでも英国で仮想通貨売買サービスを開始したいと望んでいることや、サードパーティ製のウォレットに仮想通貨を出金できるように取り組んでいること、また、納税をスムーズに行えるようなプロセスを作ろうとしていることなどを語った。
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しかし、ペイパルがブロックチェーンや仮想通貨を利用してメインでやろうとしていることは、次世代の金融システムがどうあるべきか、またそれを作るのに同社がどのように関わっていけるのかという問題に取り組むことだという。現在よりも効率的で、低コストで誰もが利用できるようなシステムを構築するための手段として、スマートコントラクトやDeFiの活用も考えているとした。
また現在、世界の規制機関やデジタル通貨(CBDC)の発行を研究・検討する中央銀行とも協業していると語り、以下のように述べている。
私は先日銀行間で送金を行なった際、着金までに3日かかると言われた。本来は送金は即座に完了するべきだ。政府も新しい技術を活用した効率的なシステムを望んでいる。
政府が給付金を配布する時に小切手を送るのではなく、直接デジタルウォレットに送金する世界を想像して欲しい。その世界では、小切手を換金する必要もなければ、換金に手数料を払うこともない。
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