仮想通貨取引所運営のビットバンク、東証1部上場企業「ミクシィ」と資本業務提携を発表
bitbankがミクシィと提携
暗号資産(仮想通貨)取引所bitbankを運営するビットバンク株式会社は2日、東証1部上場企業である株式会社ミクシィとの資本業務提携を発表した。
ミクシィは、同名のソーシャル・ネットワーキングサービス「mixi」や、ソーシャルゲーム「モンスターストライク」で、5500万ユーザーを抱えるなど、国内を代表するIT企業として知られる。これを機に、ミクシィが仮想通貨・ブロックチェーン業界及びNFT(非代替性資産)市場へ本格参入する可能性が高いとみられる。
ミクシィは、第三者割当増資で約70億円を投じることで株主となり、ビットバンク社は、ミクシィ社とセレス社の「持ち分法適用関連会社」となる。
今後の株主比率は以下の通り。東証1部上場企業のセレスは17年7月、ビットバンク株式会社と仮想通貨関連事業に関する資本業務提携を発表。持分法適用関連会社化していた。
– 廣末紀之(代表取締役社長、創業者):31.4%
– 株式会社ミクシィ:26.2%
– 株式会社セレス:22.4%
今回の提携について、ビットバンク株式会社は以下のように述べ、今後の展望への自信を示した。
当社の強みである暗号資産領域における最先端の技術力と、ミクシィが展開する多様なサービスのユーザーベース、コンテンツ群とのシナジー効果は大変高く、同社と協議・検討を進めた結果、それぞれの強みを生かし協調関係を築き上げることで、今までにない新たな価値創出が可能になると確信しております。
資金調達の背景
ビットバンクの廣末紀之社長は記者会見で、資金調達の背景について、大きく分けて2つあると言及した。
1つ目は、既存事業における「財務基盤の強化」だ。
21年3月時点で、仮想通貨市場の高騰と新規顧客の流入に伴い、3,000億円(※2021年4月実績)を超える顧客資産を預かっている中で、財務強化の必要性を再認識したと言及した。今回の資金調達を受け、自己規制資本比率に準じる「財務権全指数」は、150%から約400%まで上昇するという。
そして2つ目は、「新規事業への投資」を挙げた。
現時点では検討段階だと前置きした上で、「IEO(Initial Exchange Offering)、ステーキング、カストディ、L2(レイヤー2)決済」などを例として挙げ、新規事業の創出を目的とした積極的投資を方針に掲げた。
IEOによる仮想通貨プロジェクトの資金調達支援事業については、国内ではコインチェックが先導。7月末には、アニメ・漫画を中心とした日本発のデジタルコンテンツ(NFT)特化型チェーンの「パレットトークン(PLT)」が上場を果たし、IEOのプレセールへの申し込み抽選倍率が24.1倍に達するなど多大な反響を呼んだ。
関連:国内初のコインチェックIEO、パレットトークン(PLT)の特徴と魅力
さらに会見では、ミクシィとの提携の背景として、フィリピンなどの新興国で急速に台頭するNFTゲームである「アクシー・インフィニティ(AXS)」を例示。ゲーム業界とNFT(非代替性資産)市場とのシナジーの高さを強調するなど、ミクシィ社のIP(知的財産)を使用したNFT市場の参入や新たなブロックチェーンゲームの開発を示唆した。
関連:ビットコイン反発、エンジンコインやSANDなどNFTゲーム銘柄に買いが集まる
関連:年内リリース予定のNFTゲーム「ポルカファンタジー」、プレセールで4.7億円の売り上げを記録
bitbankの強み
国内仮想通貨取引所bitbankは、取り扱うアルトコインの種類の多さやセキュリティの高さ、「板取引(オーダーブック取引)」の手数料の安さなど利便性が高いとして、個人投資家から高い支持を受けている。
とりわけ、bitbankが重視するアルトコインの取引高シェアは、国内No.1の60.4%を有しており、その内XRP(リップル)は67%、ステラ(XLM)は88%、クアンタム(QTUM)は、98%のシェアに達する。(21年4月末日時点)
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します