ビットコイン相場と金融マーケット
15日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は、前日比+0.19%の359万円(32,700ドル)で推移している。
昨日18時頃に、31,600ドル(350万円)で大口買いが入ると、ショートカバーを伴い反発。15日10時には33,200ドルまで回復したが、上値は重く反落するなど苦しい状況が続く。薄商いの閑散期に頻発していたシンプソンズチャートの発生はここ最近では珍しく、相場の方向感のなさを象徴しているようにも見受けられる。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、14日の議会証言で「米国のインフレーション率が予想以上に上昇しており、当面高止まりするおそれがある」との認識を示したことも追い風となった。早期テーパリング(金融緩和縮小)観測が遠のいたとの見方から、市場心理の緊張感が緩和した。
米国の消費者物価指数(CPI)の前年同月比は、3月に+2.6%、4月に+4.2%、6月に+5.4%上昇した。
インフレに関するニュースを受け、米著名投資家Tim Draper氏は、ビットコインを保有する価値について改めて言及。最高のインフレヘッジ手段としている。
Just saw the news. Inflation! Are any of us surprised? Government prints more dollars, so the other ones are worth less. Happy to be a #bitcoin hodler. The best inflation hedge.
— Tim Draper (@TimDraper) July 14, 2021
金融緩和局面では米ドルが大量に刷られており、通貨価値の低下に伴い、通貨供給量の限られたゴールド同様の代替資産性に着目されたビットコインの価格は大きく高騰してきた。
なお、ecoinometrics(@ecoinometrics)のデータによれば、ビットコインの-55%の大幅調整を経た1BTC=3万ドル付近にて、1000〜10000BTCを保有する大口投資家(クジラ)の買い集め行動が再確認された。高値圏で機関投資家によるディストリビューション(売り抜け)から、安値圏でのアキュムレーション(買い集め)フェーズに移りつつあることを示唆する。
20年5月の半減期後、10月に始まった強気相場では、大口投資家と小口投資家の行動には大きな違いが見られた。小口投資家が買い続けた一方、大口投資家は初めて3万ドルの高値を更新したあたりから利確売りに転じており、今回の動きもトレンド転換の予兆となるか今後の傾向が注視されそうだ。
ゲーム関連銘柄への資金流入つづく
ここへきて、NFTゲーム関連銘柄の上昇が目立っている。
時価総額67位のAxie Infinity(AXS)が前日比+22.2%の一時25ドル台まで続伸したほか、国内大手取引所コインチェックやGMOコインに上場するエンジンコイン(ENJ)が前日比+25.8%の150円台を回復、新たなランドセールを控えるThe Sandbox(SAND)が前日比+61%となった。
Axie Infinity人気に火が付き、世界的にNFT(デジタル資産)の売買需要が急増したことなどから、地合い悪化でビットコイン下落時でもNFTゲームセクターが逆行高となる場面もあるなど、物色の機運が高まっているようだ。
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