エンジンコイン(ENJ)とは
この記事では、2021年1月26日に日本で初めてコインチェックに上場し、NFTゲームへの応用可能性などで高い将来性が見込まれるエンジンコインについて、初心者にもわかりやすく解説します。21年3月には、GMOコインでの取り扱い開始も発表されました。
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仮想通貨エンジンコインの仕組みを解説
エンジンコインとは、2009年に設立されたシンガポールを拠点とする、ブロックチェーン技術を用いたエコシステムを展開する会社、Enjinが発行する暗号資産(仮想通貨)です。同社の運営するEnjinエコシステム上で、NFT取引などに利用されます。
世界的人気を博すサンドボックスビデオゲームの「マインクラフト(Minecraft)」など、多数のオンラインゲームと提携しており、ゲーム内アイテム(デジタル資産)をNFTとして所持すること、ゲームアイテムを「メルト」という行為を行うことにより、エンジンコインに変換することも可能です。
Enjin エコシステムとは
Enjin エコシステムとは、仮想通貨イーサリアム(ETH)上で構築された、Enjinのソフトウェアソリューションすべての総称です。主なものとしては、ブロックチェーンアイテムの発行を主軸におくEnjin Platform、QRコードを用いてNFTを配布できるEnjin Beamなどがあり、ほかにもゲームなど様々なソフトウェアとの連携が行われています。Enjinエコシステム上で利用されるアセットはすべて「ERC-1155」規格のトークンであり、これがENJにより保証される仕組みです。
アセットのソフトウェア・ゲームへの組み込み、販売もEnjinのソフトウェアにより行うことが可能です。アセットの発行にあたって、ユーザーは基本的に仮想通貨「ENJ(エンジンコイン)」を使用しなければいけません。この使用されたENJはアセットに紐づけられ、市場から消える(バーンされる)ことになります。これにより、ENJの希少価値を担保しています。
メルト(Melting)とは
アセットの発行にあたって、アセットにエンジンコインを紐づけしますが、Enjin Walletから行うことができるメルトのプロセスはその逆で、ゲーム内アセットをエンジンコインに変換するかわりに、アセットを消滅させる機能です。これにより、Enjin エコシステム内のアセットはエンジンコインという共通の価値基準を持つことになります。
エンジンコインの基本概要
エンジンコインは現在、日本国内では2つの取引所で上場しています。エンジンコインは日本市場参入にあたり、国外ブロックチェーンプロジェクト向けに日本展開のサポートを提供している「株式会社HashPort Accelerator」との提携により、自主規制団体である一般社団法人「日本暗号資産取引業協会(JVCEA)」からの承認および国内上場、さらに国内でのEnjinエコシステム普及を目指して活動してきました。
エンジンコインを扱っている取引所
コインチェック
コインチェックは、販売所としてENJを扱っています。2021年1月26日に、日本で初めて上場した取引所がコインチェックでした。
GMOコイン
GMOでもENJを販売所、そして積み立てで取り扱っています。
開発
Enjin Platform上のトークンはERC-1155という規格で作成されています。これは以前から使われているERC-20、ERC-721、ERC-777の規格を基にしており、NFTに加え、通常のFungibleな通貨の発行も可能です。
規格 | トークンの種類 | 具体例 |
---|---|---|
ERC-20、ERC-777 | Fungible(代替性トークン) | BNB,EOSなど |
ERC-721 | NFT(非代替性トークン) | Cryptokitties |
ERC-1155 | 上の両方が発行可能 | Enjin |
Enjinは2009年にMaxim Blagov氏とWitek Radomski氏によってゲームコミュニティプラットフォームとして設立され、Blagov氏がCEOに就任してクリエイティブディレクションの責任者となり、Radomski氏は最高技術責任者として製品の技術開発を担当しています。
Enjinとブロックチェーンゲーム
エンジンコインは、世界中で100万人以上の開発者が利用しているゲーム開発エンジンである「Unity 3D」へ、Enjin Platformを組み込むためのDevkitを開発、提供しています。このSDK(ソフトウェア開発キット)により、ブロックチェーンエンジニアが不在だったとしても、ゲーム内アイテムのNFT化など、ブロックチェーンゲームならではの要素を容易にゲームシステムに採用できるようになりました。Minecraftとも連携しており、ゲームのサーバーへのプラグインという形でEnjin Platformとの連携。このプラグインはEnjincraftサーバーで試験的に運用されており、アイテムの取引などに応用されています。
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エンジンコインの代表的な提携先
マイクロソフト(ソフトウェア)
マイクロソフトと2019年3月よりAzure Heroesというリワードプログラムを発足。コミュニティへの貢献などで与えられたバッジをNFT化することで信頼を担保。
BMW(自動車)
2020年9月より、BMWのBMW Vantageアプリの利用者がポイントをエンジンコインへ変換可能に。
今後についてインタビュー
Enjin Business Development leadの平手宏志朗氏にテキストインタビューを実施し、3つの質問に回答していただきました。
1)コインチェック上場に関するMaximBlagov CEOの発言で、日本の有名タイトルであるマリオ、ポケモン、FFなどのビッグネームを挙げ、「日本は先進的なゲームの本拠地」だと言及していました。今後、大手ゲーム企業との提携も模索していらっしゃるのでしょうか?
はい、私たちは常に、ゲーム開発者やあらゆる規模の企業との提携に関心を持っており、積極的に拡大していきたいと考えています。すでに40を超える開発者と協力しており、Android、iOS、PlayStation、Minecraft、Steamなどのプラットフォーム向けのゲームやアプリを構築しています。
また、これまで取り組んできた多様なパートナーとの提携からも見られるように、企業やチャリティー団体など、ゲーム以外の幅広い分野や業界でEnjinの技術を活用いただけると考えています。
2)日本を代表するブロックチェーン(NFT)ゲームはイーサリアム基盤が主ですが、今後ENJとの連携もあり得ますか?
イーサリアム基盤のエコシステムとして、同様の基盤を持つプロジェクトとの連携はもちろん可能ですし、そのような機会があることを願っています。
3)NFTに馴染みがないマインクラフトのプレイヤーたちに、どのようにしてNFTを普及させていこうとお考えでしょうか?
Enjinのルーツはマインクラフトにあります。私たちの最初の製品は、ゲーマー向けのコミュニティ運営プラットフォームであるEnjin Networkで、2,000万人以上のユーザーを獲得しました。そのユーザーの多くはマインクラフトユーザーです。
私たちが学んだ、NFTの可能性をマインクラフトサーバー所有者に説明する最良の方法は、実例を紹介することでした。その為、Microsoft、Swissborg、CoinMarketCap、Binanceなどの大手企業と提携して、これらのブランドのアイテムを、マインクラフトに統合しています。
彼らはそれぞれのブランドのNFTを顧客に配信することができ、顧客はそのNFTを使い、Minecraftで限定アイテムを得る事ができます。
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