
イーサリアムの価格予測
カナダの投資会社EMJ Capitalの創設者であるEric Jackson氏は14日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の価格は1万ドル(約148万円)に到達すると、自身と同社は分析しているとXに投稿した。
また、強気なケースでは1万5,000ドル(約220万円)まで到達しうるとも予測。イーサリアムについて、現在は投資家の認識が間違っていたり、注目度が下がったりしているとの見方を示している。
Jackson氏が、価格上昇の要因に挙げているのが、ステーキングETF承認の可能性。イーサリアムのETFはETH価格にすでに織り込まれており、ビットコイン(BTC)ETFに負けていると多くの人は考えているが、本命はステーキングETFの承認だと主張した。そして、10月までには米証券取引委員会(SEC)に承認される可能性があるとの見方を示している。
ステーキングETFが上場すれば、ステーキング報酬の分配によって従来の機関投資家らの資金流入を招くことが期待できると主張。ステーキング数量が増えれば、市場に循環するイーサリアムが減少することも指摘した。
他にも、L2とRWA(現実資産)市場の発展で需要が増えて手数料の増加につながることを指摘。詳しくは書いていないが、手数料の増加でバーン(焼却)される数量が増え、供給量をさらに減少させる可能性に言及しているとみられる。
RWAとは
「Real World Asset」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。
これらの点からJackson氏は、イーサリアムは「デジタルオイル」ではなくなると主張し、「利回りを生む機関レベルの金融商品」になると述べた。
なお、Jackson氏は、イーサリアムはアップグレードでマージをして以降デフレしていると書いているが、「ultra sound money」のデータによれば現在は年0.112%インフレしており、Jackson氏の価格予想はこの点を割り引いて受け入れる必要がある。

出典:ultra sound money
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強気ケースの根拠
また、強気ケースで1万5,000ドルまで上昇しうるのは、L2の普及とETFへの資金流入が想定を上回った場合であると説明。L2が発展すると、L1であるイーサリアムにはマイナスに働くとの見方もあるが、Jackson氏はプラスに捉えているようだ。
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そして、この価格予想は、DeFi(分散型金融)、NFT、ステーブルコインのユースケース増加を前提としていないと説明。多くの人がビットコインに注目しているが、デフレの仕組みを持つイーサリアムも静かに支配的な仮想通貨取引システムになろうとしていると主張した。
他にも、eコマースのユースケースの増加によっては、イーサリアムは150万ドル(約2.2億円)まで上昇しうるとも予想している。
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