
米国ユーザーへのサービスで調査
米国の司法省と商品先物取引委員会(CFTC)は、分散型予測市場Polymarket(ポリマーケット)に対する調査を打ち切った。ブルームバーグが関係筋の情報として16日に報じている。
この2つの機関は、ポリマーケットが規制当局と以前和解した時の条件に違反して米国在住のユーザーによる取引を受け付けていたかどうかを調査していたところだ。
調査終了により、ポリマーケットが先物取引所としてCFTCに登録するなどの条件を整えれば、米国市場に正式に再参入できる可能性もある。
経緯としては2024年11月、米連邦捜査局(FBI)がポリマーケットのシェイン・コプランCEOの自宅を訪問し、スマートフォンなどの電子機器を押収したと報じられた。
CFTCと司法省は、ポリマーケットがVPNなどを用いて米国民から賭けを受け入れていたかどうかを調査していたと伝えられる。
ポリマーケットは、利用者がステーブルコインUSDCを使用してスポーツや政治など様々なイベントの結果に賭けることができるプラットフォームだ。捜査が開始された昨年は、米大統領選をめぐる賭けでユーザーが急増していた。
ポリマーケットがトランプ氏に有利な世論調査を仕組んだと政府が疑ったことが捜査の裏にあったとの見方もされている。
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CFTC(商品先物取引委員会)とは
商品取引所に上場する商品や金利、デリバティブ全般など、米国の先物取引市場を監督する機関。
背景として、CFTCは2022年1月、ポリマーケットが取引の作成、ホスティング、決済を行っている賭けの市場は、バイナリーオプション市場に該当するが、当局に登録されていないとして140万ドル(約2億円)の罰金支払いを命じた。
この際にポリマーケットは、米国のユーザーを継続的にブロックするための予防措置を講じることにも同意。それ以来、米国ユーザーはポリマーケットを利用できない状況だ。
ポリマーケットのプラットフォームにおける6月の取引高は11億6,000万ドル(約1,700億円)で、前月比9.4%増加している。これは1月の12億6,000万ドル(約1,900億円)以来の数字である。
一方、アクティブトレーダー総数は6月に前月比9.4%減少し、24万2,000人強だった。過去最高だった1月の約46万2,000人から47.6%減少している。
1口座あたりの平均想定元本取引額は1月の約2,700ドルから6月に約4,800ドル(約71万円)に上昇。より小規模なパワーユーザー層のエンゲージメントが高まっていることを示唆する。
なお、月間取引高は米大統領選が行われた2024年11月にピークとなり、26億ドル(約3,900億円)を超えていた。
コインベースは6月、ポリマーケットが2億ドル(約300億円)規模の資金調達ラウンドに向けて準備を進めており、評価額は10億ドル(約1,500億円)に達する見込みだと指摘した。
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