はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン12万ドルを超えて上昇一服、永久先物・現物価格差が示す市場心理は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-0.88%の1BTC=118,000ドルに。

BTC/USD日足

ビットコインは過去最高値の12万ドルを超えて続伸したが、上昇ペースを早めていたこともあり、15日にかけて利益確定売り優勢となった。

現物主導の上昇

最大手取引所バイナンスの永久先物と現物価格の乖離分析によると、昨今のビットコインの上昇は機関投資家による現物主導の上げ方であり、バブル的な強気相場の予兆はない。

Cryptoquantで見解を示したJoaowedson氏の分析によると、しばらくの間、現物価格が永久契約(デリバティブ)価格を上回る状況が続いている。

赤色のマイナス圏は、先物市場における過度な投機需要がほぼ発生していないことを示している。通常、市場の過熱感が高まると永久先物価格が現物価格を上回る(プレミアム状態)になることが多い。

ただし、マイナス幅は徐々に縮小傾向にあり、市場センチメントが楽観的な見方へと転換しつつあることを示唆している。

過去のデータを分析すると、この永久先物・現物価格差指標が緑色(プラス圏)に転じた局面で、ビットコインは大幅な価格上昇を記録している。昨年3月や、大統領選を経てトランプ相場の始まった昨年11月の事例では、指標がプラスに転換したタイミングで急騰しており、デリバティブ市場でのレバレッジ投資の拡大とFOMO(取り残されることへの恐れ)による買い圧力が価格上昇の推進力となった。

アルトコイン市況

ここ最近の相場では、ビットコインが牽引する形で、アルトコイン市場への資金流入が進んでいる。

ファーサイド・インベスターズのデータによると、イーサリアム現物ETFの純流入額は、7月11日に50億ドルを突破した。

流入の大部分を占めたのは、ブラックロックのiShares Ethereum Trust(ETHA)だった。ブルームバーグの上級ETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏によると、ETHAの週間純流入額は6億7500万ドルに達し、7月11日時点で米国が提供する全てのETF(上場投資信託)中でも上位の6位にランクインした。

同ファンドはビットコインETFの影に隠れがちだが、伝統的な株式や債券の運用商品を上回る実績を示したと言える。イーサリアムETFは現在、米国で取引されるビットコインETFの総流入額の10%以上を占めるまでに成長している。

このような急速な資金流入は、機関投資家のイーサリアムに対する関心の高まりを反映しており、暗号資産市場の成熟化を示す重要な指標となっている。

クリプトウィークの行方は?

米議会で「クリプトウィーク」として始まった立法活動が激しい党派争いに発展している。

共和党はGENIUS法、CLARITY法、反CBDC監視国家法の3つの法案を下院に提出し、ステーブルコインの連邦基準確立やデジタル資産市場構造の改善、政府による中央銀行デジタル通貨の禁止を目指している。

共和党は米国の金融イノベーションにおける競争力維持に不可欠だと主張する一方、前バイデン政権で暗号資産(仮想通貨)業界への規制強化を進めてきた民主党は強く反発している。

ジム・マクガバン下院議員は「一般市民よりも企業の利益を優先している」などと批判した。特にドナルド・トランプ大統領の仮想通貨関連事業との利益相反問題が焦点となっており、マキシン・ウォーターズ下院議員とアダム・シフ上院議員は法案の要素がトランプ大統領の事業目標と一致していると指摘している。

共和党は下院で僅差の過半数を占めるものの上院では過半数を持たないため、法案成立には民主党の協力が必要であるが、民主党は容易に譲歩する姿勢を見せていない。

共和党は8月の休会前に仮想通貨関連法案を再検討する意向を示しているが、残り時間は2週間弱しかない。このような党派対立は米国の仮想通貨政策の方向性を巡る根本的な政治的分裂を浮き彫りにしており、業界の将来に大きな影響を及ぼす可能性がある。

その中でも、GENIUS法案は6月17日に上院で賛成多数で可決され、下院での審議に移っている。

下院では共和党が僅差の多数派であるため、可決には民主党の協力が不可欠であるが、民主党からの修正要求や利益相反問題の懸念により、審議が難航する可能性が指摘されているところだ。

一方で、トランプ政権および共和党議員の強い推進、財務長官スコット・ベセント氏や仮想通貨・AI特命官デビッド・サックス氏の支持発言、ステーブルコイン市場が2030年までに3.7兆ドル規模に成長する予測などの市場期待の後押しにより、法案成立への勢いは維持されているとの見方がある。

関連:仮想通貨取引所ランキング|プロ厳選の実績と評判で徹底比較

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/03 水曜日
07:25
欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行へ、2026年後半に開始予定
INGやBNPパリバなど欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行を計画中。新会社キバリスを設立し2026年後半の発行を目指す。
07:15
バンカメ「資産管理サービスの顧客は仮想通貨投資を検討すべき」
バンク・オブ・アメリカは、資産管理サービスの顧客に対しポートフォリオの最大4%を仮想通貨などのデジタル資産に配分するように推奨していることがわかった。ビットコイン現物ETFも投資対象にする計画だ。
06:45
トム・リーのビットマインが継続的にイーサリアムを押し目買い、3日間で110億円相当
ビットマインが市場下落局面でも3日間に110億円相当のイーサリアムを追加購入した。同社は約373万ETHを保有し総供給量5%保有の目標に向け62%まで進捗。
06:25
米CME、ビットコインの恐怖指数VIXなどの新ベンチマークを導入
米CMEがビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRPを対象とした仮想通貨ベンチマーク指数を導入した。ビットコインのボラティリティを追跡する指数は株式市場のVIXに相当し、機関投資家のリスク管理ツールとなる。
05:55
チェーンリンク初の現物ETFがNYSEで取引開始、グレースケール「GLNK」
仮想通貨チェーンリンクの初の現物ETFが3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始した。グレースケールがGLNKとして上場し運用資産は1700万ドル超となっている。
05:40
米SEC委員長が仮想通貨向け「イノベーション免除」導入へ、資金調達環境の改善を重視
米SECのアトキンス委員長が仮想通貨セクター向けの「イノベーション免除」導入を表明した。新たな法律を待たずにイノベーションを促進する方針で、2005年以降改革されていない開示規制の包括的見直しも発表した。
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
18:00
イーサリアムの買い方|初心者向け取引所比較とリスク・税金まで解説
米国初のビットコインETF承認の影響でBTC価格が過去最高値を更新し、仮想通貨投資による資産運用の注目度が急上昇しています。本記事では初心者向けに高騰するイーサリアム(ETH)の買い方、アルトコイン投資のメリットやデメリット、リスクなどを解説しています。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
12:00
金価格に合わせて動く仮想通貨とは?市場の広がりとこれから
金(ゴールド)トークン市場が急成長。パクソス(PAXG)・テザーゴールド(XAUt)の時価総額・取引量、金価格の見通し、国内発行の金連動型仮想通貨ジパングコイン(ZPG)を解説。デジタルゴールド投資の最新動向。
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧