はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン史上最高値更新、独歩高の背景に強気の投資家態度|仮想NISHI

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

仮想通貨マーケットレポート(10/6 AM10時)

仮想通貨ビットコイン(BTC)は5日、史上最高値を更新した。Deribitなどの主要取引所においてオプションカットオフが実施され、ポジションの整理が進んだのち、流動性の薄くなる日曜日に12万5千ドルのポジションが狙われたと考えられられる。

関連:ビットコイン円建て史上最高値更新、米政府閉鎖で逃避資金が集中|仮想NISHI

10月5〜6日相場状況

オーダーブック(板情報)を見ると、最高値圏に位置するため現値の上下いずれの水準でも板が極めて薄い状況にある。これにより、瞬間的な上昇や下落が発生しやすく、ボラティリティの高い環境となっていることが分かる。

デリバティブ市場をみると、10日限の先物価格と現物価格の価格乖離がほとんど見られない。ビットコインが史上最高値圏にありながらも、需給が極めて引き締まった状態にあることを示している。また、31日限と現物価格の差も縮小しており、10月全体を通じて需給超過、すなわち買い圧力の優勢が続く可能性が高い(下画像赤枠)。

オプション市場では、史上最高値である12万4,000ドルを超える価格帯のコールポジションが急増している(下画像赤枠)。プット・コールレシオ(PCR)は極めて低い水準にあり(下画像黄矢印)、投資家心理がかなり強気に傾いていることが鮮明となっている。とりわけ14万ドルのコールオプションが最大建玉となっており、市場が14万ドル付近を強く意識していると推察される。

観測期間を過去2カ月とした主要アセットクラスとの相関分析では、Nasdaq100が-0.16、金(ゴールド)が-0.10、原油(オイル)が-0.17といずれも低い数値を示している。つまり、現在のビットコインは主要アセットクラスとほとんど相関しておらず、独立した値動きをしていることが分かる(下画像赤枠)。この特徴は、金融市場全体における「脱中央集権的リスクヘッジ資産」としてのビットコインの存在感を際立たせている。

関連:仮想通貨強気相場を加速か? トランプ米大統領が最大2000ドルの給付金を検討

現状分析(10/6日 AM10時)

史上最高値を更新した現状においても、内部指標からは依然として上昇余力を残していることが読み取れる。とくに、先物・オプション双方の建玉バランスや、板の厚みの変化を総合的に見ると、過熱感よりも需給の締まりが優勢である。投機的な一時上昇というよりは、構造的な買い圧力の高まりによる上昇である可能性が高い。

これらの背景として、米政府閉鎖問題が続くなかで、中央集権的な制度や政治リスクへの不信感が高まっていることがある。「無国籍資産」としてのビットコインへの需要が拡大しており、安全資産の一角として再評価が進んでいる。米国債市場やドル指数といった伝統的なリスク回避先ではなく、非中央集権的なデジタル資産に資金が向かうという潮流が鮮明化していると考えられる。

関連:ビットコイン、価格上昇に有利な状況で16万ドルから20万ドルへ向かう可能性=CryptoQuant

関連:強気相場はいつまで続く?仮想通貨のトップアナリスト3人が価格予想|WebX2025

今後の重要な日程

  • 10/9日 FOMC議事録公開
  • 10/10日 ミシガン大学消費者信頼感指数
  • 10/15日 米消費者物価指数(CPI)
  • *米政府閉鎖により発表が遅れる可能性あり
  • 過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

    寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
    X-Bankクリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者としても、日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。
    CoinPost App DL
    厳選・注目記事
    注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
    11/19 水曜日
    13:55
    ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
    ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
    13:35
    サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
    サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
    13:15
    米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
    米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
    11:35
    イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
    仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
    10:50
    コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
    コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
    10:33
    全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
    ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
    10:00
    ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
    ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
    09:45
    ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
    仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
    08:50
    テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
    テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
    08:00
    GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
    GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
    07:15
    資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
    資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
    07:05
    クラーケンがシタデルから2億ドル調達し企業価値200億ドルに、IPO前に資金基盤強化か=報道
    クラーケンがシタデル・セキュリティーズから2億ドルの戦略的投資を確保し企業価値200億ドルと評価された。9月の6億ドル調達に続きIPO前に資金基盤を強化している。
    06:35
    米通貨監督庁、銀行に「ガス代支払い用」の暗号資産保有を承認
    米財務省通貨監督庁が国法銀行によるブロックチェーンネットワーク手数料支払いのための仮想通貨保有を正式承認した。トランプ政権下で仮想通貨に対する規制姿勢が転換している。
    06:20
    サイファーパンクが28億円相当のジーキャッシュを追加購入、保有量は総供給量の約1.43%に
    ウィンクルボス兄弟率いるサイファーパンクが2万9869ZECを追加購入。保有総額は23万3644ZECとなり、総供給量の1.43%を保有している。
    06:05
    ビットコインの調整終了を予測、年末に向けた上昇がベースシナリオ=スタンダードチャータード銀
    スタンダードチャータード銀行のアナリストが仮想通貨ビットコインの調整終了を予測した。複数の市場指標が極端な水準にリセットされ、年末に向けた上昇がベースシナリオだと話した。
    通貨データ
    グローバル情報
    一覧
    プロジェクト
    アナウンス
    上場/ペア
    重要指標
    一覧
    新着指標
    一覧