
今週の週次レポート
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は高値圏での揉み合いが続き、10日正午時点で、1860万円周辺で推移している。
自民党総裁戦で高市氏が勝利したことで、週明けのBTC円はドル円相場の上昇を背景に1870万円を回復すると、米ハイテク株の上昇に連れて1900万円に肉薄し、史上最高値を更新した。
翌7日の米国時間にはバイナンスから大量のBTCとイーサ(ETH)が他社取引所に送金されたことが嫌気され、相場は一時1840万円を割り込むも、米政府の閉鎖が続くなか、その後は押し目買いが入り戻りを試した。
しかし、金(ゴールド)相場が8日に4000ドル台に乗せたこともあり、過熱感から利益確定売りが出るなか、BTCは1900万円トライに失敗しており、今週は底堅くも上値の重い展開が続いている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成
米政府機関の閉鎖により様々な経済指標の発表が延期されたことで、足元の米国債や株式市場はやや方向感に欠ける展開となっている。
ゴールドこそ逃避資金の流入で今週も上値を伸ばしたが、4000ドル上抜け後には利食いで反落しており、BTCはこうした金融市場の動きに板挟みとなっている模様だ。
ただ、今月1日の米政府機関の閉鎖を契機に米国の現物ビットコインETFへの資金流入は加速。直近数日で流入額は落ち着きを見せているが、閉鎖が解除されない限り、BTCの下値は堅いと見て良さそうだ。1835万円周辺は、ドル建てで節目の12万ドルとなっており、BTCのオプション市場においては同水準のストライクが最大ピンとなっている。
来週は、本来であれば米国の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)といった重要なインフレ指標が発表される予定だが、政府の閉鎖が続けばこれらの指標の発表も延期される。更に、15日には米軍人に対する給与の支払いが迫っており、支払いが履行されなければ、政府への不信感が強まるだろう。
ただ、重要指標の発表が延期されれば、BTC相場がブレイクアウトするだけの材料にも乏しいと言え、目先も高値圏での日柄調整が続く可能性が指摘される。
他方、ビットコインは来週18日、重要な日を迎える。これまで、ビットコインの半減期を基点とする「半減期サイクル」が市場では注目されてきたが、サイクルにおける上昇トレンドの期限が18日に迫っていると言える。
2016年と2020年の半減期後は、それぞれ525日と546日の約半年で史上最高値を記録しており、今回のサイクルの546日目が10月18日となる(第2図)。

【第2図:半減期を100としたBTC対ドルの指数化チャート】
出所:Glassnodeより作成
今年の第三・四半期からクジラによるBTC売却が度々観測されてきたが、こうした動きの背景にはサイクルを意識した警戒感があると指摘される。よって、来週も上昇トレンドの「賞味期限」を意識した売り圧力には注意しておきたい。
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