
「アップトーバー」再び到来
仮想通貨ビットコイン(BTC)市場は、9月に5.16%の上昇を記録した後、10月はさらに好調な滑り出しを見せ、早くもい12万ドルを突破した。
こうした中、ブルームバーグはビットコインが過去6年の10月をプラスリターンで終えている事実に触れ、この現象を「アップトーバー(Uptober=上昇する10月)」と名付けて報道した。

また、ヤフーファイナンスの分析によると、ビットコインは過去12年間で10回も10月に価格を上げているため、この歴史的な高騰傾向が投資家心理を強く後押ししているという。
コンパス・ポイント・リサーチのエド・エンゲル氏らの専門家は、9月の強さが「10月の上昇へのハードルを上げた」としながらも、底値からの反発は強気の基盤を提供してくれたと指摘した。
ハッシュデックスのサミール・カーベージ氏は、政府の流動性懸念が和らいでいることに加え、ステーブルコインの採用増加も市場の下支えとして作用すると分析した。
さらに、ウォール街アナリストの注目は季節要因だけに留まらない。JPモルガンは、ビットコインがボラティリティ調整ベースで金(ゴールド)と比較して過小評価されており、年末までに16万5000ドルに達する可能性があると予測している。
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一方、全ての見解が楽観的というわけではない。ビットコインアナリストのティモシー・ピーターソン氏は、10月のパフォーマンスは9月の結果ではなく、年初から9月までの累積リターンによって決まるとの分析を示した。
ピーターソン氏の指摘によると、年初来リターンが高いほど10月はさらに強く、逆に弱い場合は上昇が抑制されるという。特に2025年の年初来上昇率は約20%で「史上最も弱い強気相場年」だと評価した。

この分析に基づき、ピーターソン氏は、歴史的な傾向から見ても10月の上昇率は依然として「+7%から+31%上昇する可能性がある」と語り、市場全体の上昇への期待を強調している。
季節的な追い風や外部要因への期待が交錯する中、ビットコイン市場は「アップトーバー」をめぐる議論と注目度が一段と高まっている。
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