
アフリカへ拡大
米リップル社は15日、南アフリカのアブサ銀行と戦略的パートナーシップを締結し、同行の顧客向けにデジタル資産カストディサービスを提供すると発表した。アブサは、アフリカ大陸におけるリップルの初の大手カストディパートナーとなる。
アブサ・グループ・リミテッドは、ヨハネスブルグ証券取引所に上場するアフリカ最大級の総合金融サービスグループの一つだ。同行はリップルの機関投資家グレードのカストディ技術を活用し、暗号資産(仮想通貨)を含むトークン化資産の安全かつスケーラブルな保管サービスを顧客に提供する。
リップルのグローバルカストディネットワークは、デジタル資産技術がもたらす機会を取り込もうとする金融機関を支援するもので、欧州、中東、アジア太平洋、中南米を経て、今回アフリカにも拡大した。
リップルの中東・アフリカ地域マネージングディレクターであるリース・メリック氏は、アブサ選出の理由として同行の実績を挙げ、「市場で最も安全でコンプライアンスに優れたカストディインフラで、同行のデジタル資産戦略を支援できることを誇りに思う」と述べた。
アフリカで機関による関心の高まり
アフリカ全域でオルタナティブ投資に関する規制の明確化が進む中、ブロックチェーンベースのソリューションに対する機関投資家の関心が高まっている。リップルのインフラは、金融機関が厳格なセキュリティ、運用、規制要件を満たしながら新たなデジタル資産商品を展開することを可能にする。
アブサ・コーポレート&インベストメント・バンキングのデジタルプロダクト・カストディ部門責任者であるロビン・ローソン氏は、進化する金融エコシステムに対応し続ける必要性を強調した。「リップルのカストディソリューションにより、最高レベルのセキュリティと運用基準を満たす実績ある技術を活用できる。共に、顧客に次世代の金融インフラを提供していく」と語った。
今回のパートナーシップは、リップルのアフリカでの事業拡大を加速させるものだ。同社は今年初め、アフリカ拠点の決済プロバイダーであるチッパー・キャッシュに対し暗号資産対応決済技術による支援を発表したほか、米ドル担保型ステーブルコインRLUSDのアフリカ展開も明らかにしている。
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