
Two Primeとの提携を強化
米暗号資産(仮想通貨)マイニング大手のMARA Holdings(以下、マラソン)は15日、投資顧問会社Two Primeの2,000万ドル(約30億円)の株式投資ラウンドを主導したと発表した。
マラソンはTwo Primeの少数株主として正式に株式を取得。それに加えて、Two Primeの機関投資家向けビットコイン(BTC)利回りサービスへ預けるビットコインを2,000BTCまで拡大している。
Two Primeは、米証券取引委員会(SEC)に登録されたビットコイン投資顧問企業だ。機関投資家から預かったビットコインを市場の需給に応じて運用し、利回りを生み出すサービスを提供している。
マラソンは5月、500BTCをTwo Primeのビットコイン利回りサービスに預けていた。今回、追加でビットコインを委託する格好だ。
マラソンのサルマン・カーン最高財務責任者は、同社が保有するビットコインを活用し、価格上昇に左右される受動的な資産以上のものにする取り組みの一環だと話した。
Two Primeのビットコイン利回り戦略は機関投資家向けに特別に設計されており、資本保全、リスク調整後リターン、運用の透明性を重視するものだ。
Two Primeは、バランスシート上でビットコインを保有する企業が増えるにつれ、利回りを生み出す信頼性の高いインフラへの需要が高まっていると指摘した。
先駆者である米ストラテジー社のビットコイン財務戦略が今までのところ順調であることや、米国の規制緩和も背景となって、特にトランプ政権誕生以降、ビットコインを財務資産として保有する企業が増えているところだ。
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マラソンは時価総額62億ドル(約9,200億円)、米国最大の上場ビットコインマイナーだ。株価は過去1か月で22%上昇している。
2024年のビットコイン半減期によってマイニング収益が現象したことを受けて、マラソンは事業多様化を目指しAI(人工知能)インフラサービスに進出しているところだ。
半減期とは
ビットコインなど仮想通貨のマイニング報酬(=新規発行量)が半分に減るタイミングを指す。
それに加えて、保有するビットコインの運用も開始している。Bitcoin Treasuries Netによると、現在マラソンは50,000BTCを保有。この量は世界の企業の中でもストラテジー社に続いて第二位だ。
マラソンは7月1日、2025年6月のビットコイン生産量や事業の最新情報を発表した。
同社のフレッド・ティール会長兼CEOは、1.7ギガワット(GW)の自社発電容量(現在稼働中の1.1GWを含む)などを土台として、2025年末までに75エクサハッシュ/秒(EH/s)の計算能力を目指していると述べている。
なお、エクサハッシュ/秒とは1秒間に100京回のハッシュ計算を行える能力のことだ。
ティール会長は、保有ビットコインが約50,000枚に達したことについて、マイニングと戦略的買収の両方を通じてビットコインを蓄積するという規律ある取り組みを示すものだと述べた。
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