CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン売り先行で揉み合う、NFT取引活性化でイーサリアムのガス代高止まり

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン相場と金融マーケット

31日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン価格は、前日比-2.75%の515万円(46,980ドル)で推移している。

21日以降は騰勢が弱まり、5万ドル付近のレジスタンスライン(上値抵抗線)で上値を重くしており、30日の下落で並行チャネルのトレンドラインを割り込んだ。

200日移動平均線の46,084ドルを下抜けた場合、サポートライン(下値支持線)の44,000ドルや5〜7月のレンジ相場上限となる42,000ドルまでに下げ止まれば、調整の範疇として上昇継続の目はありそうだが、37,500〜40,000ドルを底抜けた場合は、投資家心理含む市況感が再度急悪化するおそれも考えられる。

メジャーアルトでは、Coinmarketcap(CMC)時価総額ランキング8位のソラナ(SOL)が、前日比+17%となるなど一部銘柄は引き続き物色されたが、BTC価格に連動して連れ安となった銘柄も少なくない。

オンチェーンアナリストLex Moskovski(@mskvsk)氏は、デリバティブ(金融派生商品)市場の建玉数に対するFunding Rate(資金調達率)から、過熱感は限定的であることを示唆。「弱気筋は間違っている」と主張している。

ガス代が高止まり

DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性資産)活性化に伴い、基盤として使われるイーサリアム(ETH)が混雑しており、ネットワーク手数料であるガス代(GasPrice)の高騰が再び深刻化している。

出典:bitinfocharts.com

直近では、1回のトランザクションあたり、平均3,000円以上かかる計算だ。

Ethereum Gas Trackerのデータによると、マイナーに支払うための単位のギガウェイは、平均100〜150Gweiに達しており、これは18年4月(約3年前)水準の約10倍に及ぶ。

出典:Etherscan Gas Tracker

パレットトークン(PLT)など、イーサリアム基盤で発行されたトークンの送金手数料にも影響が生じている。パレットチェーン上では一切の手数料なくステーキング、送金、取引を行えるものの、「仕組み上、クロスチェーン完了までの手順では送金手数料が発生する」としている。

これは、NFT(デジタル資産)コントラクトの発行手数料や、コインチェックなど仮想通貨取引所からの送金手数料を指しているものと思われる。Gas手数料については、コンセンサスノードへのインセンティブとしてパレット報酬プールを介してパレットコンソーシアムへと配布される。

イーサリアムのGas代は今年5月には一時70ドル(約8,000円)に達していたが、このような水準だと、企業の提供するdApps(分散型アプリケーション)やNFTを使ったブロックチェーンゲームなどのサービス利用が敬遠され、機能しなくなる懸念が強まる。

慢性的な課題として挙げられるスケーラビティ問題は、今後のアップグレードやPoS移行にあたり改善・解消されていく見込みであるが、先日のロンドン・アップグレードでは、Gas代については根本的な解決には至っておらず、特にDeFi市場の台頭で一般ユーザーが煽りを受けた2020年夏以降は、カルダノ(ADA)、バイナンススマートチェーン(BSC)、ソラナ(SOL)、ポルカドット(DOT)などの代替チェーンへの関心が急速に高まっている。

関連:イーサリアム2.0のライバルと目される「イーサリアムキラー」とは?

Gas代高騰でデジタル資産の流動性低下に悩まされたNFTゲーム業界では、手数料を安価に抑える「ポリゴン(Matic Network)」などレイヤー2(第2層)スケーリングソリューションの導入も相次ぐ。国内ではマイクリプトヒーローズなどの人気NFTゲームを開発・運営するdoublejump.tokyo株式会社が、マルチチェーン対応を今年3月に初めて実装した。

ポリゴンは、混雑の続くETHチェーンのメインネットとは異なる拡張を持たせることでスケーラビティ問題を緩和。安価なトランザクション手数料と高速化を実現する。

一方、先行するイーサリアムのエコシステム(経済圏)の規模は他の追従を許さない。次世代ETH2.0のビーコンチェーンにおけるバリデーターノードを含め、その「分散性」では群を抜いているとの見方もされる。

Gas代高騰要因となったETH基盤のDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性資産)市場は、これからもますます拡大していくことが想定される。

バリデータ(検証者)とは

ブロックチェーン上に記録される内容の正確性を検証するノードのこと。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア