イーサリアム2.0のライバルと目される「イーサリアムキラー」とは? Forkast寄稿

イーサリアムのライバルとは

待望のロンドン・ハードフォークが完了したイーサリアムは、ビットコインの市場寡占への挑戦者としての存在感をさらに高めました。しかし、そのイーサリアムもまた、対抗馬から追いかけられる存在です。

これらの「イーサリアムキラー」と呼ばれる新興ブロックチェーンプラットフォームが、分散型金融(DeFi)、NFT(ノンファンジブル・トークン、非代替性トークン)、スマートコントラクト市場でのシェア拡大を目論んでいます。

イーサリアムは、分散型かつオープンソースのブロックチェーンネットワークで、オープンなインフラを利用し、独自の分散型アプリケーション(dApps)を構築するよう開発者を募っています。イーサリアムの独自通貨であるETHは、ビットコインに次いで時価総額が2番目に大きな仮想通貨です。

イーサリアムの対抗馬

しかし、仮想通貨業界の発展に従い、いわゆる「イーサリアムキラー」、つまりイーサリアムブロックチェーンのライバルが現れ始め、それぞれの優位性をアピールするようになりました。

一般的に、イーサリアムキラーはオープンソースのブロックチェーンプロトコルで、ネットワーク速度や高いガス料金など、イーサリアムの抱える欠点を複数改善することに資本を投入するものです。

投資家たちは、カルダノ(Cardano)、バイナンス・スマートチェーン(Binance Smart Chain)、ソラナ(Solana)などの第2世代〜第4世代のブロックチェーンが、イーサリアムに取って代わるような、より良い代替手段をユーザーに提供することで、イーサリアムの市場シェアの一部を奪う可能性があるとみています。

イーサリアムの最も有力な競合相手を理解するために、まずは現在、その改善が叫ばれているイーサリアムの基本的な弱点から見ていきましょう。

イーサリアムの弱点

スケーラビリティは、イーサリアムネットワークと分散型金融(DeFi)を悩ませる最大の問題の1つです。ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)が2015年にイーサリアムを発表したとき、彼はこのプラットフォームに対する膨大な需要を予測していませんでした。

スケーラビリティ問題

スケーラビリティー問題とは、取引処理が遅延してしまうような「拡張性」の問題を指す。

仮想通貨用語集

しかし、需要の増加に伴い、イーサリアムのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)コンセンサスモデルは、1秒間に約13件のトランザクション(TPS)しか処理できず、時代遅れになってしまいました。イーサリアムのエコシステムでは、1日平均135.5万件の取引が行われているため、処理能力の不足によりネットワークが混雑し、その結果、ガス料金が大きく変動します。これは、通常取引をイーサリアムに依存している企業にとっては厄介な問題です

イーサリアムに実装されているコンセンサスアルゴリズムのもう一つの問題は、各トランザクションが膨大な演算能力を必要とするため、世界初の仮想通貨であるビットコインと同様に、システムのエネルギー消費量が高くなることです。

イーサリアムは年間54.47TWhを消費すると計算されており、これはペルーの国全体で消費される49.01TWhよりも多いものです。安全性は高いものの、PoWはその電力要件から決してサステナブルとはいえません。

イーサリアムは逃げ切れるか

イーサリアムは現在、「イーサリアム2.0」と呼ばれる最大級のアップデートを行っています。イーサリアム2.0は、イーサリアムをプルーフオブステーク(POS)と呼ばれるより効率的なコンセンサスアルゴリズムに移行させる一連のアップデートです。

これは、イーサリアムのエネルギー消費を少なくとも99.95%削減します。イーサリアム2.0に向けた最新のアップグレードは、ロンドン・ハードフォークで、待望のEIP-1559(Ethereum Improvement Proposal)が含まれました。このEIP-1559は、ガス料金の変動を修正し、「バーン(焼却)」を導入することで、通貨としてのETHをより希少価値の高い資産にすることを目指すものです。

しかし、イーサリアム2.0の実装が進められていく一方、イーサリアムに取って代わろうとする、あるいは少なくともイーサリアムの市場シェアに食い込もうとする競争は激化しています。

以降は、スマートコントラクト業界におけるイーサリアム最大のライバルと目される4プロジェクトを紹介します。

カルダノ(Cardano)

イーサリアムキラーといえば、カルダノが真っ先に挙げられます。カルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏は、イーサリアムの共同創設者でもあるためです。

カルダノは、dAppsを構築したり、スマートコントラクトを実行したりするためのパブリックかつオープンソースなブロックチェーンです。ただしスマートコントラクトの機能に関しては、現在未実装となっています。(21年9月を予定)

関連:仮想通貨カルダノ、「アロンゾ」の実装予定日が明らかに

カルダノの独自通貨であるADAは、本稿執筆時点で、時価総額にして5番目に大きい仮想通貨です。ADAは、450億コインが供給量の上限とされており、327億コインがすでに流通しています。ADAはローンチ以来、ほとんどの暗号通貨でトップ10に入っており、この技術の根本的な価値を強く示しています。

第3世代ブロックチェーン

カルダノは、イーサリアムが発表された2年後の2017年に登場し、「第3世代ブロックチェーン」と呼ばれています。これは、その高度な技術が、第1世代と第2世代のブロックチェーンであるビットコインとイーサリアムが生み出した問題を解決しようとしていることに由来します。

上記の2つのプラットフォームは、スマートコントラクトとコンセンサスメカニズムという基本的な側面において競合しています。スマートコントラクトの競争では、イーサリアムが勝っています。イーサリアムはすでに完全なスマートコントラクト機能を提供しているからです。また、イーサリアムは開発者にとっても魅力的なプラットフォームであり、すでに2,812のdAppsを提供しており、これは業界で開発されているすべてのdAppsの79.23%という驚異的な数字です。

一方、カルダノのブロックチェーン開発のアプローチは、全体的に異なっています。一つには、カルダノの各アップデートは専門家による査読を受けており、学識者によってテストされた最初のブロックチェーンとなっていることです。厳密なバックテストを経て展開されることから、カルダノによる各アップグレードには通常よりも多くの時間がかけられています。

スマートコントラクト機能「アロンゾ」

カルダノはまだ、スマートコントラクトの実装を完了していませんが、「アロンゾ(Alonzo)」と呼ばれるスマートコントラクト用のテストネットを開始しています。

アロンゾのアップグレードは2021年9月末までに完了する予定で、待望のスマートコントラクト機能を実装し、ブロックチェーン上での分散型金融アプリケーションを可能とします。

ただ、最も効率的なコンセンサス・アーキテクチャに関しては、カルダノはすでに先行しています。イーサリアムがまだPoWへの移行中であるのに対し、CardanoはすでにPoSによって構築されています。カルダノのPoSアルゴリズムは、イーサリアムと比較してトランザクションの検証にはほんのわずかな計算能力しか必要としないため、ネットワークのエネルギー効率を高め、環境に優しいものとなっています。

レイヤー2スケーリングソリューション「Hydra」

また、ネットワークパフォーマンスにおいても、イーサリアムの13TPS(トランザクション/秒)に対し、カルダノは266TPSまで対応できるため、カルダノが勝ります。カルダノは、ロードマップを着実に進め、ネットワーク性能をさらに最適化しつつあります。

アロンゾのアップグレードは2021年9月末までに完了する予定で、待望のスマートコントラクト機能を実装し、ブロックチェーン上での分散型金融アプリケーションを可能とします。

開発チームはすでに、Hydra(ヒュドラ)と呼ばれるレイヤー2スケーリングソリューションに取り組んでおり、Hydraが導入されれば、理論上、カルダノは100万TPSにまでスケールアップすることができます。これに対し、イーサリアム 2.0は、実装後に10万TPSに対応すると推定されています。

イーサリアムはカルダノに比べて明らかに先行者利益があるものの、スケーラビリティとパフォーマンス関連の問題は、企業や開発者を遠ざけ始めています。カルダノが最終的にイーサリアムの座を奪うことができるかどうかは、まだ不透明です。

イーサリアムがPoSアルゴリズムへの移行を完了し、カルダノがスマートコントラクトを実装する2021年後半は、両プラットフォームにとって決定的な年となるはずです。2番手として人気のあるプロトコルによる競争は、それぞれのアップデートがうまく実施されるかどうか、また、展開中に各ネットワークが直面する技術的な困難がどれだけあるかにかかっています。

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バイナンス・スマートチェーン(Binance Smart Chain)

大手の仮想通貨取引所「Binance」が2019年に作成したブロックチェーン「バイナンス・スマートチェーン(BSC)」も、スマートコントラクトの分野でイーサリアムに対抗するプロジェクトのひとつです。

BSCは、独自のバイナンスチェーンとのクロスチェーン互換性を目指して構築されたブロックチェーンで、高性能なdAppsやその他のスマートコントラクトベースのアプリケーションの開発を可能にしています。BSCは、バイナンスチェーンの高い取引スループットに、スマートコントラクト機能を組み合わせたものです。

SCは、dApps開発のための堅牢なツールセットを提供するだけでなく、トレーダーや投資家がデジタル資産を低レイテンシー(遅延)、低コストで管理できるようにすることを目的としており、イーサリアムの最大の弱点の2つを本質的に解決するものです。

さらに、BSCは「イーサリアム仮想マシン(EVM)」もサポートしており、イーサリアムベースのアプリをブロックチェーン上で実行できるようになっています。

BSCが持つ優位性

BSCとイーサリアムを比較すると、BSCの方がより高速で安価な取引が可能です。ネットワークの平均ブロックタイムは3.0秒、スループットは39.2TPS(トランザクション/秒)で、イーサリアムの約3倍の速さを誇ります。

取引手数料については、BSCは1回の取引につき平均7グワイです。1グワイは0.000000001BNBに相当し、0.0003ドルとわずかな金額であるため、BSCの方が安くなっています。これに対し、イーサリアムは1取引あたり平均5.422ドルで、本稿執筆時点では0.0017イーサに相当します。

SCが広く導入されていることを示す1つの根拠として、BSCが1日あたりのトランザクション数において、すでにイーサリアムを追い抜いていることが挙げられます。2021年7月11日、BSCは合計320万件の取引を処理し、イーサリアムの1日あたりの取引件数110万件の約3倍に達しました。

BSCの見通し

取引量においてイーサリアムを凌駕しているにもかかわらず、バイナンスCEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は、「BSCはイーサリアムキラーではなく、イーサリアム2.0が登場するまでの一時的な代替品」だと主張します。「BSCはETH1.8のようなものです。100%の下位互換性があり、高速で、手数料も低い(97%低い)」とジャオ氏はツイートしています。

とはいえ、BSCに内在する中央集権的な性質は、イーサリアムやそこから派生する分散型ノードに比べて耐障害性が低い可能性があります。そのネットワークを支える唯一のセーフティネットがバイナンス自身であるため、親会社が規制当局によって閉鎖された場合、存続の危機に陥ることとなります。

また、BSCは単一組織が所有しているため、技術的にはバイナンスがブロックチェーン上の取引を修正したり検閲したりすることが可能です。イーサリアムのネットワークでは、単一組織に所有されていないため、このようなことは極めて困難です。

関連:バイナンスコイン(BNB)とは|高騰の続く背景と主な特徴

ソラナ(Solana)

イーサリアムのもう一つのライバルであるソラナは、最近になって話題を集めつつあります。ソラナのエコシステムには、すでに250以上ものプロジェクトがあります。また、USDC、Chainlink、そしてローンチからわずか12時間で1500%の急上昇を記録した分散型取引所のSerumなどがパートナーとして参加しています。

また、ソラナ開発元のSolana Labsは先日、ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)とPolychain Capitalが主導した3億1415万ドルのプライベートトークンセールを完了したことで、投資家による注目も集めています。

ソラナは、世界初のウェブスケールのブロックチェーンであり、50,000TPS(トランザクション/秒)という比類のないスループット、そして600ミリ秒という平均ブロックタイムにより、レイヤー2のスケーリングソリューションを必要としません。

ソラナは現在、業界最速のネットワークを実現しています。イーサリアムと同様に、ソラナもまた、dAppsやスマートコントラクトを展開するためのオープンなインフラを提供しています。

「第4世代ブロックチェーン」の性能

ソラナのネイティブトークンであるSOLは、本稿執筆時点で、時価総額14位の仮想通貨です。

ソラナは「第4世代ブロックチェーン」として知られており、ネットワークの業界最高水準のスループットを可能にするイノベーションを導入しています。それにより、セキュリティや分散性に妥協することなく、高速でスケーラブルなネットワークを構築するというブロックチェーンのトリレンマを解決したと主張します。

ソラナは、イーサリアムの約3,800倍もの速度を持っており、イーサリアムの1トランザクションあたりの平均コストが6.498ドルであるのに対し、ソラナでは0.00025ドルしかかかりません。演算速度と取引コストは、いずれもブロックチェーン技術の実世界での利用や将来的な導入において不可欠です。

イーサリアム打倒なるか

さて、ソラナの基礎となるプロトコルはイーサリアムのものよりも高速で効率的なのに、なぜその座を奪えないのでしょうか?急速に進化し続けるこの業界では、最も革新的な技術を持つことがすべてではないからです。

ソラナのスタートは遅く、基本的な取引機能とスマートコントラクト機能を備えたにベータ版メインネットがローンチされたのは、2020年3月でした。メインネットは完全な機能を備えているものの、現在もまだベータ版であり、開発チームはネットワークの機能と安定性の向上に取り組んでいます。

イーサリアムは市場で先行していることから、ソラナの技術がユーザーや開発者の間で広く普及しているイーサリアムを覆すにはまだ時間がかかるでしょう。しかし、ソラナの強固なインフラのおかげで、ソラナとイーサリアムの両方が共存する市場が実現する可能性は高くなっています。

関連:仮想通貨ソラナ(SOL)とは|注目ポイントと今後の将来性

ポルカドット(Polkadot)

次世代ブロックチェーンの一つであるポルカドットは、「シャード型・異種マルチチェーン・アーキテクチャ」と呼ばれています。これは、複数のチェーンを持つブロックチェーン・プロトコルで、異なるブロックチェーンを1つの統合されたネットワークに接続し、その中継チェーンを介して相互運用を可能にしています。

ポルカドットのネットワークに接続するブロックチェーンを「パラチェーン」と呼びます。接続されたブロックチェーンは、ポルカドットのPoSチェーン(中継チェーン)を利用することで、取引のスループットを向上させ、ネットワークの強固なセキュリティメカニズムの恩恵を受けることができます。

ポルカドットは、イーサリアム、EOS、Cosmosと同じように、ブロックチェーンが相互接続されたインターネットの構築を目指しています。ただ、ポルカドットのメインネットは2020年5月にローンチされており、相互運用性(インターオペラビリティ)の競争には乗り遅れています。

スケーラビリティとガバナンス問題を解決

ポルカドットの開発チームであるWeb3 Foundationは、イーサリアムの共同設立者の一人であるギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏と、Parity Technologiesの共同設立者兼CEOであるユッタ・ステイナー(Jutta Steiner)氏によって設立されました。

ポルカドットの独自トークンDOTは、ガバナンストークンとして、またdAppsやスマートコントラクトを展開するためのネットワーク上の取引通貨として使用されます。DOTはローンチから1年あまりで、(本稿執筆時点では)すでに時価総額9位の仮想通貨としてランクインしています。

ポルカドットは、現在のブロックチェーンインフラを取り巻く2つの大きな弱点、すなわちスケーラビリティとガバナンス(コミュニティがプロトコルのアップグレードを管理する方法)の解決を目指しています。これらはいずれも、イーサリアムのコミュニティでは広く知られている問題です。

スケーラビリティとチェーン間の操作性の問題は、前述のパラチェーンによって解決しました。パラチェーンは、ネットワークが複数の並列トランザクションを処理することを可能にし、理論上は100万TPSに達するネットワークを実現します。

「イーサリアムは1秒間に25回のトランザクション(TPS)を行うことができますが、もちろん使えば使うほど悪くなります。」とポルカドット共同設立者のギャビン・ウッド氏は述べています。「ポルカドットはパラチェーン(並列処理チェーン)を使用しており、10万TPSから最大100万TPSまで可能です」とウッド氏は説明しています。

ポルカドットの優位性および将来性

イーサリアムに比べてポルカドットが優れている点は、プロトコルがフォークレスであることです。ハードフォークはこれまでに何度もイーサリアムのコミュニティを分裂させることで知られていますが、ポルカドットにはそのような危険性がありません。

ポルカドットはスケーラビリティとクロスチェーンによる相互運用性が強化されているにもかかわらず、現在イーサリアムの時価総額はポルカドットの15倍以上となっています。これは、基盤となる技術よりもユーザーによる採用事例が仮想通貨の評価における大きな原動力となっているからです。現状の高いガス料金や取引時間の不安定性よりも、ユーザーはイーサリアムの将来性に賭けているのです。

ポルカドットはまだ、機関投資家が広く採用する前に自らの有用性を証明しようとしている新参者に過ぎません。ほとんどのDOTホルダーは現在、ポルカドットの将来性ある技術と、Web 3.0によってもたらされる可能性に投資しています。しかし、イーサリアム2.0によってポルカドットのブリッジ機能が役に立たなくなるのではないかと懸念する声も一部にはあります。

短期的には、ポルカドットがイーサリアムの牙城を崩すことは考えにくいものの、ブロックチェーンのエコシステムに革命を起こす可能性のある、最も興味深い技術的代替案の1つであることは間違いありません。

詳細:初心者でもわかるPolkadot(ポルカドット)|仕組みと将来性を解説

皆にオープンなDeFi

批判はあるものの、イーサリアムはDeFi(分散型金融)の基盤となっており、仮想通貨ブームの初期から多くの注目すべきプロジェクトがその上に構築されてきました。全dAppsの79.23%がこのネットワーク上で構築されているのもただの偶然ではありません。その結果、ブロックチェーン分野ではその後、数多くのプロジェクトが「イーサリアムキラー」として自らを売り込み、DeFiやスマートコントラクト市場でのシェア拡大を目指しています。

しかし、イーサリアムの広範な普及と先行者優位性により、イーサリアムはスマートコントラクト業界の最前線に立ち続けています。イーサの時価総額で最も近いライバルであるバイナンスのBNBが第2位の仮想通貨となるためには、評価額を現在の約11倍にしなければなりません。

バイナンスのCEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏をはじめとする多くの業界リーダーは、イーサリアムキラーはイーサリアムそのものだけだと考えています。「ヴィタリックはかつて、イーサリアムキラーはイーサリアムそのものだと言いました。私は皮肉にも彼が正しいと信じています」とジャオ氏は一連のツイートをし、増大する需要に合わせてネットワークをスケールアップしないことこそが真のイーサリアムキラーなのだと警告しています。

イーサリアムのDeFi業界覇権は今後も続くのか

イーサリアムの優位性は、DeFi業界の預かり資産(TVL:Total Value Lock)を考えても明らかです。現在、ロックされている正味価値の合計は1,036億米ドルですが、その中でイーサリアムは772億米ドルと、TVLの75%以上を占めています。バイナンス・スマートチェーンに関しては、イーサリアムに次ぐ179億ドルをロックしており、DeFiのTVLの約17%を占めています。

イーサリアムのロンドン・ハードフォークは、イーサリアム2.0に向けた最も重要なアップグレードの1つです。これまでのところアップグレードが計画通りに進んでいることから、イーサリアムのDeFiおよびスマートコントラクト市場の覇権が失われることはないでしょう。しかし、イーサリアム2.0の実装がさらに延期された場合、カルダノ、バイナンス・スマートチェーン、ポルカドットがより多くのシェアを獲得し、イーサリアムの優位性が低下する可能性が出てきます。

とはいえ、DeFi業界が1年で88倍の成長を遂げたことを考えると、複数のブロックチェーンプラットフォームが共存し、共にWeb3.0の未来に貢献する余地はあるといえるでしょう。分散型金融の未来は、分散化の理想に根ざし、単一の支配的な企業ではなく、複数の強固なネットワーク上に構築されるべきなのです。

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