
ADA(エイダ:カルダノ)を解説
仮想通貨カルダノ(ADA:エイダコイン)が注目を集めています。2025年3月、トランプ大統領が発表した「戦略的暗号準備金」にADAが含まれたことで価格は60%以上急騰し、市場に大きな衝撃を与えました。
イーサリアム共同創設者のチャールズ・ホスキンソン氏によって設計されたカルダノは、査読された学術研究に基づいて開発される独自のアプローチで知られています。「ゆっくりでも確実に」という開発哲学のもと、環境に優しいコンセンサスメカニズム「Ouroboros」や二層構造による効率的な処理など、技術的先進性を追求してきました。
本記事では、カルダノの基本情報から技術的特徴、最新の価格分析、そして2025年の展望まで、ADA投資を検討する方に必要な情報を徹底解説します。米国の規制環境の変化や新プロジェクト「Midnight」の進展など、今後の価格形成に影響を与える重要な要素についても詳しく掘り下げていきます。
- 目次
2選+解説
ADAの概要と基本情報
通貨コード | ADA |
---|---|
公開日 | 2017年9月(メインネット立ち上げ) |
コンセンサスアルゴリズム | PoS(Ouroboros) |
発行上限/流通量 | 450億ADA/352億ADA |
時価総額 | 5.6兆円:市場8位(2025年3月3日時点) |
過去最高値 | 467円(2021年9月) |
White paper | Cardanoホワイトペーパー |
Cardano(カルダノ)は、査読された学術研究に基づいて開発された、スマートコントラクト対応のLayer-1ブロックチェーンプラットフォームです。イーサリアムの共同創設者の一人であるCharles Hoskinson氏によって2015年に設立され、持続可能性と安定性を重視した開発が進められています。
そして、ADA(エイダコイン)はこのCardanoプラットフォーム上で使用される主要な仮想通貨(ネイティブトークン)です。
運営・開発体制
Cardanoは以下の3つの組織によって支えられています:
・Cardano財団:全体の運営・管理
・IOG(旧IOHK):技術開発
・EMURGO:ビジネス開発・営業活動
Cardano(カルダノ)の特徴
Cardanoの最大の特徴は、学術研究に基づいた科学的なアプローチで開発が進められていることです。「ゆっくりでも確実に」という方針で、安全性と信頼性を重視しています。
環境に優しい承認の仕組み
Cardanoは「Ouroboros(ウロボロス)」という独自の承認方式を採用しています。これは、セキュリティと効率性を両立した独自のProof of Stake(PoS)システム。検証者の選定のランダム性をより高め、公平なマイニングをサポートしています。
ビットコインなどが採用する電力を大量に消費する方式とは異なり、環境に優しく、効率的なネットワーの運営が可能となっています。
二層構造による効率的な処理
Cardanoは、決済用の層(CSL)とスマートコントラクト用の層(CCL)に分かれており、それぞれの役割に特化することで、効率的な処理を実現しています。
拡張性を重視した設計
以下の技術により、将来的な拡張性を確保しています:
- Hydra:2023年5月に導入された処理速度を向上させるLayer-2ソリューション
- Mithril:2023年8月に導入されたネットワークの同期を効率化する技術
- サイドチェーン:MilkomedaやMidnightなどの開発が進行中
ADAの利用方法と機能
ADA(エイダコイン)は暗号資産(仮想通貨)で、分散型アプリケーション(Dapps)のカルダノ(Cardano)のネイティブトークンです。ADAホルダーは、ステーキングプールに委任することで、ネットワークの維持に貢献しながら報酬を得ることができます。報酬は、プールの性能や委任量などによって決定されます。
ADAは何に使えるのか | |
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投資や送金 |
・通常の仮想通貨と同様に、投資や送金に利用可能 ・取引所で売買が可能 |
ステーキング |
・ADAを保有することで、ネットワークの維持に貢献し報酬を得られる ・専用のウォレットを通じて簡単に参加可能 |
ガバナンスへの参加 |
・将来的にはプラットフォームの意思決定に参加できる ・保有量に応じた投票権を持つ予定 |
ADAを保管できる主要ウォレット | |
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Daedalus (ダイダロス) |
・フル機能を備えた本格的なウォレット ・パソコン用(Windows、Mac、Linux対応) ・高度なセキュリティ機能搭載 |
Yoroi (ヨロイ) |
・軽量で使いやすいウォレット ・スマートフォンやブラウザで利用可能 ・11か国語に対応 |
カルダノ(ADA)チャート分析:2025年3月の見通し
2025年3月:トランプ政権の「戦略的暗号準備金」で市場急変

2025年3月2日、ドナルド・トランプ大統領はTruth Socialで「戦略的暗号準備金」の創設を発表。ビットコイン、イーサリアム、XRP、ソラナ、カルダノ(ADA)を含む主要暗号資産を米国政府が積極的に保有・活用する方針を明らかにしました。
この発表により、ADAの価格は一時60%以上急騰し、市場全体が大きく反応しました。トランプ大統領は「米国を世界の暗号通貨の中心にする」と述べ、バイデン政権時代の規制強化路線からの転換を明確にしています。

ADA米ドル建て価格推移(週足) 出典:TradingView(Coinbase)
カルダノ(ADA)は、2021年9月に約3.0ドルの史上最高値を付けたあと、2022~2023年にかけて最大で90%ほど下落し、0.3ドル付近まで下落しました。しかし、2023年夏以降は徐々に回復傾向へと転じ、2024年後半には0.4ドルから1.0ドル以上へと大きく上昇。2025年3月現在、価格は1.0566ドルまで回復しており、これは2022年初頭以来の高値水準です。
重要なテクニカルレベルとしては、まずサポートラインが約0.8ドルに位置しており、ここが現在のトレンドラインを形成しています。直近のレジスタンスは1.2ドルで、2022年初頭の水準を意識した価格帯です。長期的には1.8~2.0ドル付近が2021年11月の価格帯に由来するレジスタンスとして機能しそうです。移動平均線(SMA21)は現在0.7215ドル付近にあり、価格がこれを上回ることで上昇トレンドの継続を示唆しています。
短期的(1~3ヶ月)の価格見通しでは、1.2ドルのレジスタンスを突破した場合、1.5~1.8ドルまで上昇する可能性がある一方、0.8ドルのサポートを割り込むと0.6ドル付近まで調整が進む懸念があります。現段階では、0.8~1.2ドルのレンジで価格を固めながら、緩やかな上昇トレンドを続けるシナリオが堅実と考えられます。
一方、長期的(6~12ヶ月)には複数の要因がADA価格に影響を与えるとみられます。たとえば、プライバシー特化型サイドチェーン「Midnight」のような主要技術アップデートが順調に進めば、2.0ドル以上の回復も視野に入るでしょう。
また、トランプ政権が発表した「戦略的暗号準備金」に関わる政策内容によっては、暗号資産全体にとってプラス材料となり、ADAのさらなる上昇を後押しする可能性があります。さらに、2025年後半に予定されているネットワークアップグレードが成功すれば、市場心理を大きく改善し、長期的な価格上昇につながる展開も期待されます。
Cardano、ADAの今後の注目点
1.規制環境の転換と政策対応
2024年から2025年にかけて、米国の暗号資産規制環境は転換点を迎えようとしています。2024年の米大統領選で当選したトランプ氏は、仮想通貨業界との対話を重視する姿勢を示しており、ホワイトハウスへの暗号資産政策専任ポストの創設も検討されています。
特に注目されるのが、SECのゲンスラー委員長の交代です。ゲンスラー氏は2024年11月に辞任を示唆する声明を発表しました。同氏は在任中、ほぼ全ての仮想通貨を「証券」として扱う厳格な規制方針を推進し、業界との対立を深めてきました。
I'm Back https://t.co/55sN3N7Xq8
— Charles Hoskinson (@IOHK_Charles) November 9, 2024
この状況を受け、カルダノ(Cardano)創設者のチャールズ・ホスキンソン氏は11月9日、暗号資産政策の発展を支援するため、自身の会社IOG(旧IOHK)内に政策オフィスを設立する計画を明らかにしました。彼は「ワシントンD.C.で議員や行政関係者と連携し、業界の主要リーダーたちとともに暗号資産政策を促進する」と述べています。
ホスキンソン氏は特に、トランプ新政権が始動する2025年に向けて、以下の点に注力する意向を示しています:
- 証券と商品を明確に区別する超党派の法案策定
- 暗号資産業界の健全な発展を支える規制環境の整備
- 業界主要リーダーとの連携強化
2. 投資商品の拡充への期待
規制環境の改善は、Cardanoを含む暗号資産投資商品の拡充にもつながると期待されています。現在、以下のような商品が展開または計画されています:
商品名 | 提供会社 | 特徴 | ステータス |
---|---|---|---|
21Shares Cardano ETP (AADA) | 21Shares |
・運用資産:約1億500万ドル ・ADA実物を100%保有 ・設立:2021年4月23日 |
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Bitwise 10 Crypto Index Fund ETF | Bitwise |
・10種の仮想通貨で構成 ・ビットコイン約75% ・イーサリアム約16% ・ADAも構成銘柄に含む |
SEC申請中 (2024年11月)» 関連記事 |
これらの動きは、機関投資家のCardanoへのアクセスを容易にし、市場の成熟度を高めることが期待されています。特に、ビットコインETFの提供実績を持つ運用会社の参入は、商品の信頼性向上に寄与するでしょう。
3. ミッドナイト(Midnight):プライバシー特化型サイドチェーン
CardanoエコシステムにおけるMidnightプロジェクトは、投資家や開発者の間で注目を集めています。Midnightは、プライバシー保護を重視した新しいブロックチェーンであり、ゼロ知識証明(ZKPs)を活用して安全かつ規制遵守の取引を可能にします。
Midnightの特徴としては、デュアルトークンモデルが挙げられます:
– NIGHTトークン:ガバナンスおよびステーキング機能を担当。
– DUSTトークン:トランザクションの主要通貨として機能し、エコシステムの中核を担います。
特に、ADA保有者を対象とした「Glacier Drop」と呼ばれるDUSTトークンのエアドロップが予定されており、投資家にとっての関心がさらに高まっています。通常のエアドロップとは異なり、受領者がMidnightブロックチェーン上でマイニング活動に参加することでトークンが完全に取得できる仕組みが導入される点も注目されています。
Midnightのアーキテクチャは、開発者向けの環境も重視しており、コンパクト言語とTypeScriptを統合することで、プライバシー重視のdApp開発を効率化しています。
4. リップル社との協業の可能性
CardanoとRippleの協業の可能性が浮上し、注目を集めています。2024年11月17日のSurprise AMAでCardano創設者チャールズ・ホスキンソン氏が両社の協業について言及し、その後の数日間でRippleのCTOデビッド・シュワルツ氏との技術的な対話が行われました。
この対話では、特にCardanoのプライバシー特化型サイドチェーン「Midnight」を含めた技術連携について具体的な議論が交わされました。ホスキンソン氏は、AMAの中で「CardanoはXRPに素晴らしいDeFiコンポーネントを追加できる」と述べ、一方でRippleの「豊富な流動性」や「優れたステーブルコインレイヤー」がCardanoのエコシステムを強化できると指摘しました。
It was a pleasure talking to you. Midnight sounds extremely interesting.https://t.co/A9aI64bJsU https://t.co/e1b0feRwcJ
— David "JoelKatz" Schwartz (@JoelKatz) November 18, 2024
両氏のXプラットフォーム(旧Twitter)での発言によれば、技術的な対話は非常に建設的なものだったようです。11月19日、ホスキンソン氏の「MidnightとXRPについてデビッドと話せて素晴らしかった。素晴らしい技術的な会話だった」という投稿に対し、シュワルツ氏も「お話できて光栄でした。Midnightは非常に興味深い」と応答しています。
カルダノ(ADA)の買い方(口座開設・注文方法)
1. 口座開設:本人確認
カルダノ(ADA)を購入するには、まず仮想通貨取引所で口座を開設する必要があります。口座開設は主に以下のステップで進みます。
- メールアドレスを入力して登録用のURLを受信
- 必要事項を入力(氏名・住所・電話番号など)
- 本人確認書類を提出
最初に、利用する取引所の公式サイトでメールアドレスを登録します。届いたメールに記載されたURLから専用ページを開き、多くの場合ここでパスワードの設定を行います。
KYCを済ませておくべき理由
メールアドレスの登録だけでは、すぐにADAを売買することはできません。KYC(本人確認)を完了させておき、できれば口座に「日本円」を入金しておくことをおすすめします。これにより、ADAの価格が急変動した際にもすぐに取引できるようになります。
多くの日本の仮想通貨取引所が「eKYC(電子本人確認)」を導入しており、すべての手続きをオンライン上で完結できます。
マイナンバーカードの公的個人認証サービスを活用すれば、即時審査が完了するため最もスムーズです。免許証やパスポートでもeKYCは可能ですが、審査に数時間〜数日かかる場合があります。

オンラインで安全にに本人確認を行う公的個人認証サービスの場
2. 資金の入金
口座開設と本人確認を完了させると、日本円の入金が可能になります。多くの取引所では、クイック入金によってリアルタイムで入金できます。
クイック入金は、土日祝日を含む24時間いつでもリアルタイムで即時入金が可能なオンラインサービスです。多くの取引所では振込手数料無料で利用できます。
クイック入金に対応している主な金融機関:
みずほ銀行 | 三菱UFJ銀行 |
三井住友銀行 | りそな銀行 |
埼玉りそな銀行 | ゆうちょ銀行 |
PayPay銀行 | 楽天銀行 |
住信SBIネット銀行 | 各種地方銀行 |
入金手順(一般的な例)
- 「入出金」または「資産」メニューから「日本円」を選択
- 「入金」または「日本円を入金」をクリック
- 入金額を入力し、振込先の銀行を選択
- 「銀行ページへ」をクリックし、銀行の画面で手続きを進める
3. カルダノ(ADA)の購入方法
日本の取引所でADAを購入する方法は主に2つあります。初心者には「販売所」、少しでも有利な価格で購入したい方には「取引所」の利用がおすすめです。
販売所での購入(初心者向け)

販売所の利用画面(SBI VCトレード)
販売所は取引所が直接ADAを売買する方式で、操作が簡単なため初心者に適しています。
- 取引所のアプリやウェブサイトにログイン
- 「販売所」または「クイック取引」を選択
- 通貨一覧から「ADA(カルダノ)」を選択
- 「買う」ボタンをタップ
- 購入金額または数量を入力
- 内容を確認して「購入」をタップ
販売所のメリット・デメリット
- メリット:すぐに取引可能、操作が簡単、24時間取引可能
- デメリット:取引所に比べて価格(スプレッド)が高めに設定されている
取引所での購入(経験者向け)

取引所の使い方例(bitbankの場合)
取引所では、ユーザー同士が売買を行うため、より有利な価格で取引できる可能性があります。指値注文や成行注文を利用します。
- 取引所のアプリやウェブサイトにログイン
- 「取引所」を選択
- 取引ペアから「ADA/JPY」を選択
- 注文タイプ(指値・成行)を選択
- 指値の場合は希望価格、成行の場合は購入数量を入力
- 内容を確認して注文を確定
指値注文と成行注文の違い
- 指値注文:自分で指定した価格で取引が成立(ただし、その価格で買い手/売り手がいない場合は取引不成立)
- 成行注文:現在の市場価格ですぐに取引が成立(価格を指定できないが、即時取引が可能)
ADAの取り扱い取引所
ADAを購入する場合、日本国内の取引所をご紹介します。
取引所 | メリット | デメリット | 現物取引 | レバレッジ取引 | ADAステーキング 報酬率 |
取引所手数料 (BTC参考) |
出庫手数料 | 備考 |
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ADAの板取引が可能 | ステーキング サービス未提供 |
現物(取引所・販売所) | – | – | Maker:-0.02% Taker:0.12% |
1 ADA | |
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ADAのステーキングに便利 口座で保有するだけ |
ADA取引所に未対応 | 販売所 | 〇 | 年率7.6% 手数料差し引き後5.7%* |
Maker:-0.01% Taker:0.05% |
無料 | *ステーキング報酬率は24年11月実績 |
![]() BitTrade
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積立・貸暗号資産提供 | ステーキング未対応 | 取引所・販売所 | ADAは未対応 | – | 無料(スプレッド) | ADA 1 |
まとめ:投資判断時の注意点
Cardano(カルダノ)は、2024年から2025年にかけて大きな転換期を迎えると見られています。トランプ新政権下で期待される規制環境の改善、機関投資家向け商品の拡充、さらにはRippleとの技術協力の可能性など、多角的な材料により注目度が高まっています。
なかでも、創設者チャールズ・ホスキンソン氏が主導する政策対話の進展や、プライバシー技術「Midnight」の実用化が今後のCardanoの成長に大きく寄与する可能性があります。さらにETF商品の開発が進めば、機関投資家の参入を促す重要な要素となるでしょう。
しかしながら、仮想通貨には依然として価格変動リスクや規制リスクが伴うため、投資にあたっては十分な調査と理解が不可欠です。カルダノ投資を検討する際は、以下のリスク要因を考慮することが重要です:
- 高いボラティリティ: 暗号資産市場全体の特性として、急激な価格変動リスクがあること
- マクロ経済の影響: 米国の金利政策や規制動向が価格に大きく影響を受ける可能性があります
- 技術開発の進捗: 主要プロジェクトの遅延や技術的問題は価格下落を招く可能性があります
記事の監修
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