仮想通貨取引所Bitfinex、イーサリアム上で25億円相当のガス代を支払い
イーサリアム上で高額なガス代を支払い
暗号資産(仮想通貨)取引所Bitfinexは、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンにおけるトランザクションで、およそ2,300万ドル(約25億円)相当の手数料(ガス代)を支払ったことが分かった。
イーサリアムブロックチェーンのデータを提供する「Etherscan」によると、Bitfinexは、ステーブルコイン「USDT」10万枚(1,100万円相当)を1つのウォレットを経由して、分散型取引所(DEX)「DeversiFi」のアドレスに送金。その際、手数料としておよそ7,676ETH(25.3億円相当)を支払っている。当初DeversiFiは、原因は調査中などと説明していたが、その後に手数料の多くが返金されたことを報告した。
8月にイーサリアムのブロックチェーンでは、大型アップグレード「ロンドン」を実施。その際、改善提案「EIP-1559」が導入されており、ガス代のシステムが変更された。EIP-1559は、基本手数料を導入し、手数料を予測しやすくすることなどを目的としている。
今回のBitfinexの送金は、EIP-1559を適用した送金だった。Etherscanのデータによると、本記事執筆時点でガス代の平均額は240gwei(1,480円相当)付近を推移している。
両者のコメント
DeversiFiの公式ウェブサイトでは、ガス代を支払わずに仮想通貨の取引や送金ができると、自社のサービスのメリットを説明。公式ツイッターアカウントでは当初、「不正確な高いガス代で入金が行われた」と公表しており、原因を調査中だと述べていた。
その際、顧客の資産がリスクにさらされているわけではないと強調し、DeversiFiの内部の問題であると説明。運営にも影響はないとしている。
その後、日本時間本日7時40分にDeversiFiは「対象ブロックのマイナーから7,626ETH(25.2億円相当)が返金された」と公表。返金額と実際に支払った金額の間にはまだ差があるようだが、詳細は明日に説明するとしている。
Bitfinexも今回の内容についてツイートを投稿。「今回の高い手数料は、サードパーティのシステムを統合したことによって起きた」と主張し、「DeversiFiが調査を行い、どのように対応するかを待っている」とした。
今回の手数料は、イーサリアムブロックチェーンで過去最高額と見られている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します