ビットコイン売り加速で仮想通貨全面安、メタバース関連銘柄のSANDが高騰
仮想通貨相場の動向
17日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比-3.3%の685万円(59,510ドル)と続落した。
CoinGlassのデータによると、24時間で8億8200万ドルを超える清算がなされた。
今回の強気相場の起点7月下旬以降の上昇分に対する61.8%戻しは53,000ドル水準(①)、半値戻し水準は5万ドル水準(②)。
米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め思惑などを背景に、逆相関傾向にあるドル・インデックス(DXY)が米長期金利ともに上昇したことも相場の重石となった。DXYは20年9月の高値を上回り、95.9まで到達した。
15日にはバイデン大統領の署名により「インフラ法案」が成立。暗号資産(仮想通貨)市場に嫌気されたとの見方もある。
インフラ法案は、道路、鉄道、空港など老朽化したインフラ整備のほか、EV(電気自動車)やAI(人工知能)領域への投資も含まれる。景気底上げ策として1兆2000億ドル規模の大型財政支出を伴うものだ。
その一方、仮想通貨取引の仲介者などのブローカーに対して仮想通貨取引を行うユーザーの税務情報開示を求める条項があるほか、財源の一つとして、仮想通貨セクターへの新たな課税が2024年1月より施行される予定となっており、米国における活況感に冷や水を浴びせるおそれがある。
Arcane Researchのデータによれば、ここ最近の下落の影響で、先物市場のプレミアム及び過熱感を示すFundingRate(資金調達率)が、9月下旬以来約2ヶ月ぶりにゼロを下回った。
ファンディングレートとは
暗号資産(仮想通貨)先物市場のポジション保有コストのこと。ポジションを保有し続ける限り掛かるコストを指しており、ファンディングレートの偏りは、すなわちポジションの偏りを示唆している。
個別銘柄
相場全体が下落する中、メタバース(仮想空間)関連銘柄のザ・サンドボックス(SAND)が前日比+31.5%と逆行高になり、11月上旬にマークした過去最高値を更新。一時3.6ドル台まで高騰した。α版リリース発表が好感された。
同じく、メタバース(仮想空間)上にNFT(非代替性トークン)の建物などを構築可能なNFTゲームの代表格であるディセントラランド(MANA)も前日比+8%上昇するなど、メタバース関連銘柄が買われた。
ゲーム業界における「α版」とは、基本的な要素が組み込まれて実際に遊べるテスト仕様であり、一部機能しか開放されない。製品版一歩手前まで進捗すれば、より多くのユーザーを呼び込んだ「β版」のローンチに至る。これらはブロックチェーンで言えばテストネットのようなものであるため、メインネットに該当する正式版のローンチが待たれる。
すでに、コインチェックNFTやOpenSeaなどのマーケットプレイスで売買可能なゲーム内のバーチャル土地「ランド」の資産価値も急騰しており、製品版のローンチが近いことがSANDトークンや含む需要増の思惑を呼んでいるものとみられる。
今月2日には、ソフトバンクグループの投資ファンドが、The Sandboxの9,300万ドル(約100億円)規模の資金調達を主導するなど、フェイスブックの社名変更を追い風に勢いを増しているメタバース関連プロジェクトの筆頭格と言えそうだ。調達資金は、クリエイターエコノミーの拡大、およびファッションや建築、バーチャルコンサートなどの仮想領域に充てていくという。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します