マスク氏の実弟、慈善活動DAOを設立へ

初の慈善活動DAO

著名実業家イーロン・マスク氏の実弟であるキンバル・マスク氏がDAO(自律分散型組織)を通じて慈善活動の分散化を試みていることがわかった。

キンバル氏はビットコイン(BTC)やドージコイン(DOGE)に関して度々SNSへ投稿してきたイーロン・マスク氏の兄弟。自身もレストラン業界で起業家となっており、EV大手テスラ社の取締役員も務めている。

慈善活動のDAO化を試みているのはキンバル氏が手がける米国拠点の非営利団体のBig Green。Big Greenは食品やガーデニング、フードジャスティス運動や環境再生型農業(リジェネラティブ農業)などの分野に力を入れている。

「慈善活動のさらなるステージはDAOの進化を通じて、慈善団体が分散化して意思決定者と機能することで既存の権力構図を変えることだ」と捉え、資金の活用方法などにおけるガバナンス判断をメンバーに分散化する方針を示している。

DAOとは

「Decentralized Autonomous Organization」の略で、自律的に機能する分散型組織を指す。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在せず、参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。

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関連:DAO(分散型自律組織)とは|仕組みや将来性を解説

DAOには食品業界関連のBig Green側のパートナー企業が参加。初期メンバーにはそれぞれ企業理念を支援する奨励金として50,000ドル(560万円)が交付される。

仕組みとしては、ガバナンス管理のためにERC-20規格のガバナンストークン「ExecToken」を利用。まずはBig GreenとBig Greenが任命する2〜5つの団体をDAO委員会メンバーとして任命し、ガバナンストークンを利用して、資金の利用方法などを決定していく。

コミュニティーなど外部からの寄付は後日募集する予定で、DAOが成長するなど成功したと判断が下った場合、DAOメンバーの判断で利用。DAO実験が成功しなかった場合はBig Greenへの寄付金として利用される。

また、Big Green DAOは米IRS(内国歳入庁)の非営利団体法にも準拠しているため、同DAOに寄付した際には税控除が可能だと説明している。

実験期間は2021年11月から22年9月までを想定しており、DAO化の利点や欠点、及びその影響を分析していくという。実験が「成功」した場合、将来的には米国以外への展開も視野に入れる方針だ。

注目集まるDAO

慈善活動を主な目的としたDAOは珍しい事例だが、最近では歴史的に貴重な品々の共同購入を目的としたDAOが脚光を浴びている。

11月中旬には米国憲法の初版を購入する為のConstitutionDAOが台頭。現存する初版は13部しかなく、先月のオークションは実に33年ぶりだったが、結果的にはオークションでの落札は実現していなかった。

後日、仮想通貨懐疑派の大手ヘッジファンドCitadelのKenneth Griffin CEOが落札者となったことが判明している。

関連:米国憲法初版を購入するためのDAO、オークションの落札目標は達成できず

また、ソフトバンクグループ傘下のSB Opportunity Fundも11月下旬にはDeFi(分散型金融)の銀行サービスを提供する「Mean DAO」の資金調達ラウンドに参加していた。

関連:「Mean DAO」、ソフトバンクGら主導で約4億円を調達

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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