合衆国憲法の初期の版がオークションへ
現存するアメリカ合衆国憲法の初版を購入するために組織されたDAO(自律分散型組織)は、オークションにて落札目標を達成することが出来なかったと公表した。
合衆国憲法の最終版は、最初に推定500部が大陸会議のために発行されたが、現存するものはわずか13部に留まるという。今回、オークションハウスのサザビーズでは、33年ぶりにオークションにかけられる運びとなった。
憲法の購入を計画していたConstitutionDAOは、オークション後、ツイッター上で声明を発表。
コミュニティの皆へ:私たちは合衆国憲法のコピーの競売に勝つことが出来なかった。
望んでいた結果にはならなかったが、今夜、我々はConstitutionDAOで新たな歴史を作ることができた。これは実際の物を対象とした、法定通貨、暗号資産における最も大きな額のクラウドファンドとなった。皆さんと一緒に取り組めたことに大きく感謝しており、ここまで来れたことには驚きを隠せないでいる。
— ConstitutionDAO (📜, 📜) (@ConstitutionDAO) November 19, 2021
DAOに参加した寄付者は17,437人に上り、中央値にして206.26米ドルの寄付があったと公表している。
(訂正:DAOの調達額について、当初の内容に誤りがありましたので訂正いたしました。お詫び申し上げるとともに、ご指摘頂いた方に感謝申し上げます。(2021/11/20))
そのほかにも声明では、協力したパートナーとして、Alameda Researchや Endoament、FTX US、Juicebox、Morning Brew、SyndicateDAOなどに謝意を述べている。
憲法購入のためのDAOを組織<
ConstitutionDAOは、オークションで憲法の初版を購入するために必要となる金額をイーサリアム(ETH)など暗号資産(仮想通貨)で調達することを計画していた。
実行に当たっては、様々な機関と交渉を行っており、暗号資産(仮想通貨)取引所のFTXはDAOがオークションで勝った場合、調達資金を米ドルに交換する役割を果たすことなどを提案。
オークションを実施するサザビーズとも、実際の購入方法について有限責任会社を利用する方法などを検討していた模様だ。
また、落札できた場合には、憲法を一般展示するほか、寄付者には分割された所有権ではなくガバナンストークンを発行することなどを計画として示していた。今後、寄付者は手数料を差し引いた寄付金の返金を受けられる予定となっている。
追記:落札者判明
米WSJは19日、憲法の落札者が判明したことを報じた。
落札者は、大手ヘッジファンドCitadelのKenneth Griffin CEOで、約50億円の価格でConstitutionDAOより高い値をつけて落札したという。
Griffin氏は業界では、仮想通貨の懐疑派としても知られており、10月にはブルームバーグの取材で「仮想通貨マニアは米ドル体制に反抗する人たちだ」と批判していた。