米国版FTX、国際スワップ・デリバティブ協会へ加入

ISDA加入で法的順守とネットワークを強化

暗号資産(仮想通貨)取引所FTX USのSam Bankman-Fried CEOは10日、同取引所がInternational Swaps and Derivatives Association(国際スワップ・デリバティブ協会:ISDA)の会員資格を取得したことを発表。スワップ取引に関して、法的順守をより確実なものにした。

Sam CEOは「米国および世界における仮想通貨デリバティブ市場を構築していく上で、ISDAと協働していけるのを楽しみにしている」と述べた。

国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)とは

英語名はInternational Swaps and Derivatives Association。デリバティブを扱う会員企業のために協定を作成する、国際的な会員制の組織。外国為替や金利などのデリバティブ取引に適用される基準を基本合意書にまとめている。デリバティブ市場の促進も行う。

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ISDAに加盟すると、グローバル企業の間である程度の標準化が図られ、ISDA基本合意書という一つの基準により取引を行うことができるため、流動性が高まる。これにより、個別に様々な企業と国際協定を結ぶ必要がなくなる格好だ。米国版FTXは、こうしたISDAネットワークを活用していく見込みである。

また、米国版FTXは10月に、米仮想通貨デリバティブ取引所LedgerXの買収を終えた。ISDA加盟に合わせて、米国で規制に準拠した仮想通貨デリバティブ取引を提供する狙いだ。

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米議会の公聴会に出席

Sam CEOは8日、米下院金融サービス委員会で開催された、仮想通貨に関する公聴会に証人として出席したばかりだ。この公聴会には、他にコインベース、米サークル、Bitfury、Paxos、ステラ(XLM)開発財団から幹部が招待されていた。

この公聴会について、Sam CEOは次のように報告している。

公聴会は建設的なものだった。参加し様々な考えを表してくれた議員たちに感謝する。

ある程度の敵意を予想していたのだが、実際は、全般的に生産的で役立つ議論が展開された。仮想通貨規制をより洗練されたものにしていくために、これからも議員や規制担当者たちと関わりつづけていきたい。

仮想通貨規制について提案

Sam CEOは公聴会で、ステーブルコインや仮想通貨規制のあり方について意見を述べた。

ステーブルコインのメリットとして、ほぼ即時の決済が可能であり、仲介者やカウンターパーティーリスクを削減できることを挙げた。ステーブルコインに対して、すべてのシーンで銀行並みの監督を行うと、かえって、現在ステーブルコインが回避しているリスクを持ち込んでしまう可能性があるとしている。

その上で、ステーブルコインの裏付け資産の報告や監査、金融犯罪に関する法執行機関への情報提供といった基本的な要件は必要で、これらは現行の規制環境を活用して満たすことができると続けた。

また、米ドルを裏付けとしたステーブルコインは「世界の基軸通貨としての米ドルの覇権を守るものであり、それを脅かすものではない」と意見した。ステーブルコインに過度な規制を行うと、ステーブルコイン発行者が、他の国や地域に移動し、別の国の法定通貨を裏付けとしたコインに注力する可能性もあると懸念を表明している。

さらに、仮想通貨規制全般については、規制当局の連携を呼びかけた。

1つの統一された規制システムがあれば、取引所は仮想通貨のスポット取引とデリバティブ取引の両方を、同じ規制の下で提供することが可能になるという。取引活動に関するリスク管理も、1つのシステムで行えるようになり、リスク低減と顧客保護の面からも、のぞましいと主張する格好だ。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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