FTXのCEOなどが証言した米公聴会 ステーブルコインが焦点

コインベース、FTX、Paxosなどの幹部が出席

米下院金融サービス委員会は8日、暗号資産(仮想通貨)に関する公聴会を開催。米国の大手仮想通貨企業の幹部が証人として発言を行ったもので、全体で4時間を超えた。特にステーブルコインについて様々な角度から検討が行われている。

公聴会は「デジタル資産と金融の未来:米国における金融イノベーションの課題と恩恵を理解する」と題するもので、証人として出席したのは以下の人々だ。

  • 仮想通貨取引所FTXのSam Bankman-Fried CEO
  • USDコイン(USDC)の運営などを行う米サークルのJeremy Allaire CEO
  • 仮想通貨マイニング企業BitfuryのBrian Brooks CEO
  • Pax Dollar(USDP)を提供するPaxosのChad Cascarilla CEO
  • 仮想通貨取引所コインベースのAlesia Haas CFO
  • ステラ(XLM)開発財団のDenelle Dixon CEO

公聴会では、ステーブルコインと、仮想通貨取引プラットフォームの規制体制が主な焦点になった。これについて、Maxine Waters金融サービス委員長は「現在、仮想通貨市場には包括的・一元的な規制枠組みがない」と指摘している。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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ステーブルコイン規制のあり方

Warren Davidson議員は、ステーブルコイン規制は、既存の銀行規則に類似した措置を取ることも考えられるため「達成しやすい目標」であるとした。

Nydia Velázquez議員は、ステーブルコイン発行企業の幹部である米サークルのAllaire氏と、PaxosのCascarilla氏に、連邦政府の基準に適合するには、コインの裏付け資産すべてを現金または財務省証券にしなければならないと要求。2人のCEOは、これに同意した。

公聴会では、ステーブルコインに関して財務省が主導する金融規制当局のグループ「President’s Working Group(以下、PWG)」が発表した報告書についても議題にされた。

PWGは、リスクを抑えて活用していくために、決済に用いられるステーブルコインの発行を、従来型銀行など、保険に加入している預託機関(IDI)に限定することを提案していた。これについては仮想通貨業界や、一部の議員、FRB理事らからも反対の声が上がっているところだ。

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この件について、Bitfuryの現CEOで、2020年5月から2021年1月まで米通貨監督庁(OCC)のトップも務めていたBrian Brooks氏は、次のように問いかけた。

銀行だけがステーブルコインの発行を許可されるべきだという立場をとりながら、主要なステーブルコインの発行企業に銀行資格を与えない姿勢はおかしいのではないか。

包括的な規制体制の必要性

その他に、仮想通貨への一貫した規制体制を求める声も上がり、公聴会で一定の共感を集めている。現在は、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の間で管轄が分かれており、見解の違いなどが問題視されてきた。

また、これまでのところ、どちらかといえば民主党議員の方が仮想通貨をより厳しく取り締まろうとする傾向をみせている。しかし、今回の公聴会では、仮想通貨のもたらす恩恵に関心を示す民主党議員も数名存在した。

例えば、Ritchie Torres議員は、地元サウスブロンクスに多くいる海外からの移民が、ステーブルコインを使って安価に送金できる可能性について証人に質問していた。

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