メタ社、独自のVR・AR(拡張現実)専用のOSプロジェクトを中止か メタバースの事業戦略は継続
メタバース事業は継続
SNS大手メタ社(旧:フェイスブック)が、独自開発していたVR(仮想現実)・AR(拡張現実)専用のOSプロジェクトを中止したことがわかった。匿名筋の話としてThe Informationが報じた。
昨年時点では、メタ社のVR機器で利用される予定だったプロジェクトの正式名は「XROS」。2017年より開発が進められており、約300名規模のメンバーが取り組んでいたという。
ただ、今回のOS(オペレーティングシステム)開発中止は、メタ社のメタバース事業撤退を意味するものではない。メタ社の広報担当者は以下のように釈明している。
我々は、リアリティOSの構築における業務を停止したり、規模を縮小したりしているわけではない。
チームは引き続き前進しており、ARメガネ(ARグラス)やウェアラブル・デバイスなど、将来のコンピューティング・プラットフォームの構築に向けた投資を続け、メタバースのビジョン実現に貢献していく。
プロジェクト中止の具体的な要因は明らかにされていないが、プロジェクトが中止した21年11月には、チーム責任者のMark Lucovsky氏がメタ社を辞任していた経緯がある。
Lucovsky氏はフェイスブック社の「有害な企業体質」やメタバース主体の企業方針への移行を離職の要因に挙げており、グーグルで同様のAR(拡張現実)OSのチームを率いることが決定している。
これまで開発してきたXROSプロジェクトは中止となった模様だが、メタ社関係者は、引き続き異なるOSの開発を進めていく姿勢を強調。メタ社のリアリティ・ラボのエンジニアリング部門のGabriel Aul VPは以下のようにコメントした。
Reality Labs(メタ社のAR・VR部門)のオペレーティングシステムを構築するために、我々は複数の技術的な方向性を追求している。
我々は現在も、Reality Labsのデバイスに特化したOSの開発に取り組んでおり、この開発に必要なリソースを提供し続けている。
メタ社とメタバース
旧Facebook社は21年10月末、突如「Meta」への社名変更を発表。メタバース領域への事業展開を強めていく方針を打ち出した。同社の手がけるSNSアプリ上では、フェイスブック社からメタに変更されたロゴが表示されている。
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