米ビットコイン送金アプリ、インフレ下のアルゼンチンでサービス開始
ビットコイン利用に活路
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を活用した送金アプリStrikeは12日、長年インフレーションに苦しんできたアルゼンチンでサービス開始を発表した。
ライトニングネットワークを利用することで、高速で手数料の低い送金を可能にする。
ライトニングネットワークとは
ブロックチェーンの外で取引を行うオフチェーン取引を提供するセカンドレイヤー・プロトコル。低コストで高速なマイクロペイメントをビットコイン・ネットワーク上で可能にする。
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ビットコイン決済の重要性
StrikeのJack Mallers CEOはアルゼンチンが度重なる経済危機とハイパーインフレーションを経てきたと説明。2022年には年率55%に達し、GDPも約12%縮小する勢いにあるとした。
1991年にはドルペッグ型の新通貨を発行したが、ディバリュエーション(平価切り下げ)が発生。米ドルへの依存性が強まり、発行されている米ドル紙幣の10%以上がアルゼンチンの金融システムに留まる状況となっているという。
IMFの統計によれば、アルゼンチンのインフレ率は2009年以降も上昇を継続。2020年時点でも新興国の平均値である5.1%を大きく上回っていた。
また、アルゼンチン政府は19年秋には毎月200ドル(23,000円)の外貨購入制限額を設定。さらにコロナ禍での経済不振がさらに追い討ちをかけた。20年秋には米ドルの購入に新たに35%に及ぶ税金が課される法が施行している。
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このような状況が続く中、アルゼンチン国内では「オープンな金融システムへの需要がかつてないほど高まっている」とコメント。法定通貨とは違い、供給量が一定しており、検閲体制を持つビットコインは同国の市民にとって安定した価値の保存手段になるとした。
Mallers氏はこれまで伝統的な金融機関はアルゼンチン市民を金融システムから疎外してきたと指摘。ビットコインは金融包摂や個人の自由を取り戻すことにつながる貨幣制度であると述べた。
アルゼンチンの仮想通貨取引量は2020年には、コロナウイルスの感染拡大の影響で、需要が急増。同じくハイパーインフレに苦しむベネズエラやチリでも、歴代最高の取引量が観測されていた経緯がある。
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Strikeとは
Strikeはビットコインのセカンド・レイヤー・プロトコルを活用して、高速かつ低手数料の送金を提供する米シカゴ発のモバイル・アプリ。CEOのJack Maller氏は昨年6月にエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領がビットコインを法定通貨として認める法案を提出する上で事前調査などに従事した経歴を持つ。
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また、21年9月からは大手SNSアプリ・ツイッター上からもビットコインの投げ銭機能の実装が開始。ライトニングネットワークを利用するユーザーはStrikeウォレットと接続することで、同機能を利用することが可能となっていた。
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