エルサルバドル、低金利ビットコイン建ローンを提供へ

BTC建ローン提供へ

中南米エルサルバドル政府関係者は20日、更なる暗号資産施策として中小企業向けの低金利ビットコイン(BTC)建ローンの提供を検討していることを明らかにした。

現段階で詳細は明らかになっていないものの、エルサルバドル政府の技術・経済・国際情勢部門Mónica Taher部長はFacebookライブで仮想通貨レンディングについて対談。「銀行より低金利(利息)のビットコイン建ローン」を提供していく方針を示唆した。

銀行ローンよりも低金利のビットコインでローンを組むことができます。

Taher氏によると、エルサルバドルの銀行は国内の33,000余りもの中小(零細)企業に高金利のローンを強要していると指摘。個人事業主も多い反面、同国では銀行口座を持てない企業が120万社を超えており金融包摂が課題となっている。

こうした背景からビットコイン建のローンを提供することで、アンバンクト層の縮小を図る模様だ。

金融包摂とは

経済状態や居住地などに関わらず、誰もが基本的な金融サービスをアクセス・利用できるようになること。国連の掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の主要項目の一つ。

▶️仮想通貨用語集

ビットコイン導入の目的

エルサルバドルは世界で初めてビットコインを法定通貨に定めた国家。法案を提案したのは同国のナジブ・ブケレ大統領で、当初の発表では以下のようにBTC導入のメリットを説明していた。

短期的には、雇用創出や経済システムから切り離されてきた国民の金融包摂の提供につながります。中長期的には多くの人々の生活の質、そして何百万人もの未来を向上させます。

また、エルサルバドルのGDPは2割近くがインバウンドの海外送金から成り立っており、貧困層の国民に金融システムへのアクセスを提供する手段としてビットコインに白羽の矢が立ったという。

関連:ビットコインの法定通貨法案、エルサルバドル大統領のスピーチを日本語で読む

ビットコインの法定通貨化以外にも、エルサルバドルでは現在、火山の地熱を利用したビットコインのマイニング(採掘)や仮想通貨推進特区「ビットコイン・シティ」の建設、ビットコイン債券の提供も進められている。

関連:エルサルバドルの「ビットコイン・シティ」構想、火山熱100%利用へ

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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