軟調相場もビットコインハッシュレートと難易度は過去最高値に、大口アドレスの傾向は CoinPost週次データレポート Vol.43

2月の仮想通貨動向

2月第3週の暗号資産(仮想通貨)市場。先週に続き、緊迫した状況が続くウクライナ情勢に影響される形で金融市場全体の乱高下に揺さぶられた。前週末にかけて心理的節目の4万ドルを下回り、厳しい情勢が続いている。

出典:Tradingview

イーサリアム(ETH)も同様に大幅下落した。17日には、有料会員向けにツイッターのETH投げ銭機能の追加を発表。BTCに続いて2銘柄目。

出典:Tradingview

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時価総額TOP20の騰落率

時価総額上位銘柄の週間騰落率は以下の通り。(20日時点:ステーブルコイン除く)

  • アバランチ(AVAX)-1.16%
  • ソラナ(SOL)-2.51%
  • リップル(XRP)-3.95%
  • バイナンスコイン(BNB)-4.53%
  • テラ(LUNA)-4.69%

参照:CoinMarketCap

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ビットコインのオンチェーン・データ

ビットコイン(BTC)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

ディフィカルティ

ビットコインネットワークは17日、難易度調整を完了。+4.78%のプラス調整となり、ディフィカルティは過去最高値を更新した。

出典:btc.com

関連:マイニングにおけるDifficulty(採掘難易度)とは|ハッシュレートとの相関性について解説

ハッシュレート

また、ビットコインネットワークのハッシュレート(採掘速度)も過去最高水準を更新。30日間の平均値は21年5月のピークから16.8%の増加を記録した。

Glassnodeは、「ハッシュレートは日毎の数値の変動が激しいため、30日間の平均値を算出することで長期動向を見やすくしている」と説明している。

オンチェーンアナリストのWill Clemente氏は21年5月に中国政府が仮想通貨禁止令を発令してから、順調に回復していると分析。ビットコインネットワークの堅牢性はこれまでに無いほど安全だとコメントした。

大口投資家のHODL状況

ブロックチェーン分析サイトSantimentによれば、10万BTC以上を保有する超大型アドレスの保有するビットコイン量は昨年2月から40万BTC増加した。同供給量は21年6月のピーク時には69万BTCに到達していた。

また、オンチェーンアナリストのAli Martinez氏は、100BTCから10万BTCを保有するアドレスが2月以降、横ばいの推移を続けていると指摘。大口投資家は現在の価格帯での購入を避けている模様であるとして、さらなる下落を想定している可能性があると考察した。

なお、Glassnodeが提供するHODL Waveマップによれば、1年以上HODLされているビットコインの供給量は全体の60%に達したことが確認された。

出典:Unchained Capital

仮想通貨投資ファンドAtlana Digital Currency FundのAlistair Milne CIOは19日、過去に2度(2016年前半と2020年中旬)、同数値は60%を超えたことがあると指摘。いずれも下落傾向が継続した時期だったという。

HODL Waveとは

ビットコインの未使用取引アウトプット(UTXO)データを基に、ビットコインのHODL(長期保有)状況を数値化した指標。ビットコイン供給量の内、どれほどのBTCがどれほどの期間HODLされているかを異なる色で表す。

▶️仮想通貨用語集

カナダのビットコインETF

オンチェーンアナリストのJan Wüstenfeld氏はカナダのPurpose Bitcoin ETFは18日、昨年2月の取引初日以来、最多となる資金流入を記録したと指摘。1日で1,20BTC分のETFが購入されたという。

Glassnodeによれば、カナダのビットコインETFは62,628BTC保有しており、これはビットコインの流通量の0.3%に匹敵する。

カナダでは、トラック運転手らが政府のコロナ政策を批判する為に、米国との国境を封鎖するデモが続いており、先週カナダ政府は緊急事態法を発令したばかり。これにより、政府側はデモ参加者への銀行送金の差し押さえも可能となっており、政府の検閲を避ける手段としてビットコインに注目が集まっている。

関連:カナダデモ鎮圧、警察が特定の仮想通貨ウォレットの取引停止を要請

日間アクティブアドレス低水準

ビットコインネットワークの日間アクティブエンティティー(ボット含む)は27万を記録。これまでBTC市場が高騰していた時期と比べると、新規利用者の需要は低下している反面、長期的なネットワーク効果は引き続き増加しているとGlassnodeは分析した。

イーサリアムのオンチェーン・データ

イーサリアム(ETH)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

ETH2.0 ステーキング額

ステーキング額:948万ETH(前週比+9万ETH)

beaconcha.in

関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

ガス代

IntoTheBlockは17日、イーサリアムのガス代は過去3週間で低水準に達していると指摘。ガス代の低下が続く。

週間バーン量

イーサリアムネットワークの週間バーン(焼却)量は前週比で46,885ETH増加。通算バーン量は187万ETHに達した。

参照:Watchtheburn

大口ETHアドレスの保有状況

また、Santimentによれば、10万ETH以上を保有する大口アドレス群は昨年10月以降、累計154万ETHを買い増ししていると指摘。ETH価格が下落する中、一部の大口投資家は買い増しを続けていることが確認されている。

デベロッパーの参加者数

仮想通貨分析企業Coin98 Analyticsによれば、イーサリアムネットワークの開発者はブロックチェーンプロジェクトで2位の開発者が携わっていると指摘。1位はソラナ(SOL)だった。

  • ソラナ
  • イーサリアム
  • カルダノ
  • ポルカドット
  • コスモス
  • テラ
  • アバランチ
  • ポリゴン
  • ファントム

DeFi(分散型金融)

DeFiプラットフォームのTVLは21日時点で1,944億ドル(22.3兆円)だった。

出典:DeFi Llama

TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。

NFT

22年2月のNFT月間取引量は早くも40億円を突破。先月以前までは、過去最高だった21年8月の取引量を超えている。

前回の週次レポートはこちら:BTCのアクティブアドレス10週間ぶり高水準に、ETHガス代は21年7月以来の低水準

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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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