仮想通貨市場のTOP20を振り返る
2020年12月は、2017年12月の仮想通貨バブルを彷彿とさせるようなひと月となった。
ビットコイン価格は、12月16日に過去最高値の2万ドルを突破すると、17日に22,000ドル(230万円)、25日には24,000ドル(250万円)と新高値を更新。31日には29,000ドル台(約300万円)を記録した。
ビットコインの時価総額は、12月27日時点で50兆円規模に到達。11月時点で過去最高の36兆円を記録していたが、その後も資金流入が止まらず、市場規模拡大を加速させている。
Bitcoin is now officially the largest financial service in the world.
— Pomp 🌪 (@APompliano) December 26, 2020
h/t @truenomic pic.twitter.com/tUyTUQahJS
単純比較はできないものの、株式市場における上場企業の時価総額と比較すると、現時点でTOP11位まで浮上。VisaやJPモルガンチェースなどを大手金融機関を超える水準に達している。
関連:ビットコインの時価総額が40兆円突破、株式市場比較でTOP15入り
今回、ビットコインの時価総額50兆円突破にあたり、年末特集として過去6年間(12月25日)時点の時価総額上位20銘柄を振り返る。
2015/12/25(1BTC=455ドル)
2015年のビットコインの時価総額は、マウントゴックス事件などの影響から徐々に回復し、前年43億ドル(2014年)から68億ドル(約8000億円)まで拡大した。
2015年には、イーサリアムがローンチしている。
表記順:(通貨名(ティッカー):(前年順位→順位)
- ビットコイン(BTC):(1→1)
- XRP:(2→2)
- ライトコイン(LTC):(4→3)
- イーサリアム(ETH):(4) 2015年7月ローンチ
- ダッシュ(DASH):(12→5)
- ドージコイン(DOGE):(8→6)
- ピアコイン(PPC):(10→7)
- ステラ(XLM):(7→8)
- ビットシェアーズ(BTS):(5→9)
- メイドセーフコイン(MAID):(6→10)
- ネクスト(NXT):(9→11)
- ネームコイン(NMC):(13→12)
- バイトコイン(BCN):(25→13)
- モネロ(XMR):(19→14)
- ファクトム(FCT):(15) 2015年9月にジェネシスブロック
- グリッドコイン(GRC):(16) 前身のGridcoin Classic(GRCX)は前年114位。2015年4月に移行
- エマーコイン(EMC):(123→17)
- クラムス(CLAM):(38→18)
- ブラックコイン(BLK):(21→19)
- ワイビーコイン(YBC):(16→20)
2016/12/25(1BTC=896ドル)
2016年5月に日本で仮想通貨を定義する改正資金決済法が成立、仮想通貨交換業者の登録や投資家を保護する法整備が各国から注目を集めた。
7月には、4年に一度のビットコインの半減期が行われ、マイニング報酬は25BTCから12.5BTCに減少した。ビットコインの時価総額は前年から2倍以上の140億ドル(1兆7000億円)まで成長している。
表記順:(通貨名(ティッカー):(前年順位→順位)
- ビットコイン(BTC):(1→1)
- イーサリアム(ETH):(4→2)
- XRP:(2→3)
- ライトコイン(LTC):(3→4)
- モネロ(XMR):(14→5)
- イーサリアムクラシック(ETC):(6) 2016年7月にイーサリアムからハードフォーク
- ダッシュ(DASH):(5→7)
- メイドセーフコイン(MAID):(10→8)
- ネム(NEM):(23→9)
- スチーム(STEEM):(10)
- オーガー(REP):(507→11) 2015年にICO
- イコノミ(ICN):(12) 2016年にICO
- ドージコイン(DOGE):(6→13)
- ファクトム(FCT):(15→14)
- ウェーブス(WAVES):(15) 2016年6月にICO
- ステラ(XLM):(8→16)
- デジックスダオ(DBD):(17) 2016年3月にICO
- リスク(LSK):(18) 2016年にICO。14000BTCの資金を調達、注目を集めた
- ジーキャッシュ(ZEC):(19) ビットコインのコードをベースに2016年10月ローンチ
- スイスコイン(SCN):(20)
2017/12/25(1BTC=14,026ドル)
ビットコインの時価総額は前年比から+1500%以上の2300億ドル(24兆円)にまで成長。12月18日時点には時価総額は3348億ドル(35兆円)到達。
新たな資金調達手段としてICOなどが台頭、資金流入が拡大。日本では「仮想通貨元年」と謳われた。
同年8月には、CoinPostがメディア運営を開始。
表記順:(通貨名(ティッカー):(前年順位→順位)
- ビットコイン(BTC):(1→1)
- イーサリアム(ETH):(2→2)
- ビットコインキャッシュ(BCH):(3) 2017年8月にビットコインからハードフォーク
- XRP:(3→4)
- ライトコイン(LTC):(4→5)
- カルダノ(ADA):(6) 数年間の資金調達の末、10月にBittrexで取り扱い開始
- アイオタ(MIOTA):(7) 2017年6月にBitfinex上場、上場初日で時価総額ランキング6位に急浮上
- ダッシュ(DASH):(7→8)
- ネム(XEM):(9→9)
- モネロ(XMR):(5→10)
- イオス(EOS):(11) 2017年6月にICO開始
- ビットコインゴールド(BTG):(12) 2017年10月にビットコインからハードフォーク
- ネオ(NEO):(31→13)
- クアンタム(QTUM):(14) 2016年12月にローンチ
- ステラ(XLM):(16→15)
- イーサリアムクラシック(ETC):(6→16)
- リスク(LSK):(18→17)
- バージ(XVG):(206→18)
- トロン(TRX):(19)
- アイコン(ICX):(20)
2018/12/25(1BTC=3,815ドル)
1月末にコインチェックがハッキングされ、大量の暗号資産(仮想通貨)が不正流出する事件が発生。ICO詐欺などを踏まえ、各国の仮想通貨規制取締が大幅強化されたほか、ビットコインETFの申請も度々見送られた。
同年11月には、ビットコインキャッシュの敵対的ハードフォークの影響でハッシュ戦争が勃発、BTC価格は一時期3000ドル台まで落ち込むなど、本格的な弱気相場(ベア・マーケット)に突入した。
クリスマス時点でのビットコイン時価総額は660億ドル(7兆円)と前年比で-70%近くまで縮小した。
表記順:(通貨名(ティッカー):(前年順位→順位)
- ビットコイン(BTC):(1→1)
- XRP:(4→2)
- イーサリアム(ETH):(2→3)
- ビットコインキャッシュ(BCH):(3→4)
- ステラ(XLM):(15→5)
- イオス(EOS):(11→6)
- テザー(USDT):(31→7)
- ライトコイン(LTC):(5→8)
- ビットコインSV(BSV):(9) 2018年11月にビットコインキャッシュから分岐
- トロン(TRN):(12→10)
- カルダノ(ADA):(6→11)
- アイオタ(MIOTA):(7→12)
- モネロ(XMR):(10→13)
- バイナンスコイン(BNB):(42→14)
- ダッシュ(DASH):(8→15)
- ネム(XEM):(9→16)
- イーサリアムクラシック(ETC):(16→17)
- ネオ(NEO):(13→18)
- ジーキャッシュ(ZEC):(23→19)
- ウェーブス(WAVES):(28→20)
関連:2018年仮想通貨業界の「初めて」と「最後」|重要ニュースから1年間を振り返る
2019/12/25(1BTC=7,275ドル)
ビットコインのジェネシスブロック生成から10周年を迎えた2019年。6月22日には1年3ヶ月ぶりにBTC価格が1万ドルへ復帰するなど回復基調に。ビットコインの時価総額は、前年比約2倍の1300億ドル(13兆円)まで回復した。
表記順:(通貨名(ティッカー):(前年順位→順位)
- ビットコイン(BTC):(1→1)
- イーサリアム(ETH):(3→2)
- XRP:(2→3)
- テザー(USDT):(7→4)
- ビットコインキャッシュ(BCH):(4→5)
- ライトコイン(LTC):(8→6)
- イオス(EOS):(6→7)
- バイナンスコイン(BNB):(14→8)
- ビットコインSV(BSV):(9→9)
- テゾス(XTZ):(22→10)
- トロン(TRN):(10→11)
- カルダノ(ADA):(11→12)
- ステラ(XLM):(5→13)
- UNUS SED LEO(LEO):(14) 19年5月にローンチしたiFinex(Bitfinexの親会社)のユーティリティトークン
- コスモス(ATOM):(15) 2017年、2018年にICOを実施、2019年3月にメインネットをローンチ
- モネロ(XMR):(13→16)
- ミンドル(MIN):(17)
- フォビトークン(HT):(67→18)
- チェーンリンク(LINK):(44→19)
- ネオ(NEO):(18→20)
関連:【前編】2019年の仮想通貨市場「ネガティブ材料」から1年を振り返る
関連:【後編】2019年の仮想通貨市場「ポジティブ材料」から1年を振り返る
2020/12/25(1BTC=23,241ドル)
年初のBTC価格は7,000ドル台から始まるも、コロナショックの影響で3月には3,000ドル(30万円)台まで暴落したが、大規模金融緩和の影響や「半減期」を経て大幅回復。ヘッジファンド界の大物ポール・チューダー・ジョーンズ氏などが、米ドルのインフレヘッジとして保有するなど論調にも変化がみられた。
10月中頃にはPayPalの仮想通貨サービス開始など好材料が相次ぎ、本格的な強気相場に転じた。
表記順:(通貨名(ティッカー):(前年順位→順位)
- ビットコイン(BTC):(1→1)
- イーサリアム(ETH):(2→2)
- テザー(USDT):(4→3)
- XRP:(3→4)
- ライトコイン(LTC):(6→5)
- ビットコインキャッシュ(BCH):(5→6)
- カルダノ(ADA):(12→7)
- バイナンスコイン(BNB):(8→8)
- ポルカドット(DOT):(9) 2017年からICOを複数回実施、2020年5月にメインネットをローンチ
- チェーンリンク(LINK):(19→10)
- USDコイン(USDC):(11)
- ステラ(XLM):(13→12)
- ビットコインSV(BSV):(9→13)
- ラップドビットコイン(WBTC):(14)
- モネロ(XMR):(16→15)
- イオス(EOS):(7→16)
- ネム(XEM):(31→17)
- トロン(TRN):(11→18)
- テゾス(XTZ):(10→19)
- UNUS SED LEO(LEO):(14→20)