MetaMaskが利用するインフラ、一部地域で利用制限 ウクライナ情勢受け
Infuraが制裁地域で利用停止
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のMetaMaskウォレットが利用するインフラプロバイダーInfuraは3日頃より、特定地域での利用(IP)を停止している。ウクライナ侵攻に関する、ロシアへの制裁が背景にある模様だ。
MetaMask(メタマスク)はインターネットでアクセスできるイーサリアム基盤のウォレット。Infuraは、イーサリアムのノードやエンドポイント(イーサリアムのチェーンデータを同期するノード)を提供している。
メタマスクとは
イーサリアム系の仮想通貨ウォレット。モバイルアプリやウェブブラウザの拡張機能にてサービスを提供しており、仮想通貨の管理や送受金が可能。DeFi(分散型金融)やゲームなどのdApps(分散型アプリケーション)で標準的に利用されているウォレットでもある。
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メタマスクはブログ投稿で次のように説明している。
メタマスクはデフォルトでInfuraを経由してブロックチェーンにアクセスするが、法令遵守の観点から一部の地域で利用できない場合がある。こうした地域でメタマスクを使用しようとすると、エラーメッセージが表示される。
一方、デフォルトは変えられる。
また、Infuraは、以前より米国の制裁プログラムの変更を注視してサービスを制限する地域の変更などの対応を行ってきた。
想定外の地域にも影響か
一方で、当初は調整により、Infuraらが想定したよりも多くの地域が影響を受けたとみられ、ベネズエラの人々は4日、当該サービスからブロックされたことを報告した。これを受けて、Infuraは修正を行ったとして、次のようにツイートした。
ユーザーからご指摘された件について、修正を行ったのでお知らせする。米国をはじめとする各国からの新たな制裁命令に伴い、一部の構成を変更するにあたって、誤って必要以上に広範囲な設定をしてしまった。
これは私たちの見落としであり、ご指摘いただいたことに感謝している。ご指摘を受けたことで、原因を究明し、修正し、サービスを再開することができた。
また、メタマスクも復旧したことを報告。次のように補足説明を行っている。
メタマスクは、デフォルトのエンドポイントをInfuraに設定しているが、この設定はユーザーが希望する場合や、サービスに不具合がある場合に変更することが可能だ。
仮想通貨関連サービスでは、大手NFTマーケットプレイスOpenSeaも、制裁に対応しているところだ。
OpenSeaの広報は「OpenSeaは、米国の制裁リストに掲載されているユーザーや地域が、NFTの取引や譲渡含め、サービスを利用できないようにしている」と述べた。また、利用規約でも、制裁対象地域のユーザーがサービスを利用することを禁止していると続けている。
ロシアの制裁回避を警戒
米国や欧州は、ロシアが仮想通貨を使用して制裁回避しようとすることについて警戒を高めているところだ。
欧州連合(EU)の財務大臣会合は2日、ロシアの仮想通貨利用に対策を講じる計画を発表。特に、欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、仮想通貨企業がロシアのユーザーへのサービス提供を禁止する政策を推進すると報じられている。
また、米FRBのジェローム・パウエル議長は2日、ウクライナ情勢を受け、仮想通貨規制に対する必要性が高まっていると米議会に呼びかけた。
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