英マイニング企業Argo、米大手とビットコインの採掘機器の交換契約を締結
マイニング・フリートを交換
暗号資産(仮想通貨)ビットコインのマイニング事業を手がける英Argo Blockchain(以下、Argo)は14日、米マイニング大手Core Scientificと、ビットコイン・マイニング機器のフリート交換契約を結んだことを発表した。
Argoの声明によると、この契約はCore ScientificがホスティングしているBitmain社製Antminer S19シリーズのビットコイン・マイニング機器のフリートと、Core Scientificが発注したS19J Proシリーズのフリートを差し替え、新規納入分を直接、Argoの新たな米拠点であるマイニング施設に設置するもの。
英ロンドンに本拠を置くArgoはロンドン証券取引所に上場している企業。昨年3月に米テキサス州に広大な土地(約1.3平方k㎡)を購入し、最大800メガワットの発電権利も取得。現在、200メガワットのマイニング施設「Helios」を建設中だ。
S19J Proシリーズのフリートはこの新たな施設に納入される。Heliosの建設費用は15億ドルから20億ドル(1,770〜2,360億円)と予想されている。
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Argoは北米地域で事業を拡大しており、昨年5月にはカナダのデータセンターを買収した。
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自社でマイニング機器を所有・運営する
契約では、Core Scientific発注分のS19J Pro(約967 PH/s)がArgoのHelios施設へ設置される。その代わりに、Coreは、Argoに提供中のホスティングサービスに使用されていたAntminer S19(約958 PH/s)を自社用マイニングに割り当て、Argoとのホスティング契約を終了する。
Argoは2020年に全てのマイニング機器を所有・運営することを戦略目標に設定していた。今回、Coreとのフリート交換契約が完了すると、第三者が運営するマイニング施設でホスティングされる機器はなくなるという。
今回のフリート交換は同社の総マイニング容量の60%に相当するため、Argoのマイニングの自社運営への移行経費を大幅に削減することができると説明。同社のピーター・ウォールCEOは、「既存のマイニング機器のアップグレードと、インフラ強化が可能になるとともに、設備移転に伴う操業リスクも大幅に軽減される」と述べた。
また、Coreのマイク・レビットCEOは、今回の契約は同社にとってもセルフマイニング・フリートの成長を加速させるものであり、双方にとって有益なものだと述べた。
米半導体メーカー大手インテル(Intel)社が2月11日にマイニングチップのリリースを発表すると、Argoはジャック・ドーシー氏率いるBlock(旧Square)とともに、今年後半の初出荷分を受け取る最初の企業となった。
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Core Scientificの動向
Core Scientificは米テキサス州の州都オースティンに拠点を置くマイニング企業。ジョージア、ケンタッキー、ノースカロライナ、ノースダコタ州などに大規模な採掘拠点(データセンター)を構える。
Core Scientificによると、今年2月の1カ月で981BTCをセルフマイニングし、7,355BTCを保有している。セルフマイニング用機器は8万台を超え、8.2EH/sの処理能力を誇る。
Coreは今年1月、米ナスダックへの上場を発表。Power&Digital Infrastructure Acquisition Corp社による買収成立により、SPAC(特別買収目的会社)合併上場を実現した。
SPAC
SPACとは「Special Purpose Acquisition Company」の略称で、「特別買収目的会社」や「白地小切手会社」と訳される。その企業自体は特定の事業を有さず、未上場企業の買収を行うことを目的とする。
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