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ビットコイン長期保有率が過去4年間で最高値に、イーサリアムのステーキング量1000万ETH間近 CoinPost週次データレポート Vol.46

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

3月の仮想通貨動向

3月第2週の暗号資産(仮想通貨)市場。地政学リスクの高まりで一時高騰した金(ゴールド)とは対照的に、ビットコイン(BTC)価格は米金融市場との順相関が目立った。

9日には米バイデン政権の仮想通貨に関する大統領令が財務省のプレスリリースが予定より早く公開される形で判明。およそ1週間ぶりに一時4万ドルを超えた。

出典:Tradingview

イーサリアム(ETH)は取引量の減少に伴い、ガス代が21年8月水準の40Gweiまで低下。これに応じて、バーン量のペースも一時期より落ち着いてきている。

出典:Tradingview

時価総額TOP20の騰落率

時価総額上位銘柄の週間騰落率は以下の通り。(12日時点:ステーブルコイン除く)

  • ソラナ(SOL)-9.03%
  • カルダノ(ADA)-8.66%
  • ドージコイン(DOGE)-7.89%
  • アバランチ(AVAX)-7.46%
  • ポリゴン(MATIC)-7.21%

参照:CoinMarketCap

関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化

ビットコインのオンチェーン・データ

ビットコイン(BTC)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

HODLされているビットコイン量、過去4年間で最高水準

オンチェーンアナリストのLex Maskovski氏はビットコインのilliquid Supply(流動性のない供給量)が過去4年間で最多の76.23%に達したと指摘。ビットコインの長期保有傾向が広まっていると分析した。

個人投資家の買い増し

オンチェーンアナリストのKJ Lanpaul氏は1BTC以下を保有する個人投資家層は21年11月以降、42,779BTCを買い増ししたと分析。これはビットコインの総供給量の5.45%に相当し、長期保有されているBTC供給量の増加につながっているとした。

中規模のウォレット、買い増し

また、Maskovski氏は10〜100BTCを保有するウォレット群は急激なペースでビットコインを買い増していると指摘。

同層はビットコイン価格が10,000ドルから50,000ドル台まで急騰した際に「正しく」売り抜けていたと考察した。

サポートレベル

また、オンチェーンデータ上では、500万以上のウォレットが245万BTCを23,250ドルの価格帯で購入しているとアナリストのAli Martinez氏は指摘。今後BTC価格が急落した場合、この投資家群がサポートレベルになり得ると分析した。

BTCとETHのツイート量

エコノミストのJan Wüstenfeld氏はビットコインに関するツイート量が増加する反面、イーサリアムのツイート量は1月末以降、50%減少していると指摘。アルト主導の相場センチメントが落ち着いていると分析した。

地政学的な出来事がビットコインに与える影響

オンチェーン分析プラットフォームInto the BlockのPedro Negron氏はビットコインと金(ゴールド)の相関性が低下する一方で、NASDAQなどの小型銘柄を表すラッセル2000指数との相関性は0.77の高水準を記録していると指摘。

ビットコインのように時価総額が低く、ボラティリティの高い成長株は投資家センチメントの影響を受けやすい傾向がある反面、ビットコインのユースケースや説話は現在も変化しているとして、今後の世界情勢がどのような影響を与えるか注視していくべきだと述べた。

2020年春にコロナショックが発生した際には、インフレヘッジとしての「デジタル・ゴールド」の相性がビットコインの有用性として普及した。

関連:世界経済危機でオンライン金購入が記録的水準、ビットコインはデジタルゴールドになり得るか

欧州市場の重要性

また、Unstoppable DeFiのPatrick Hansen氏は欧州地域は世界的な仮想通貨の拠点になり得ると分析。ビットコインとイーサリアムのノード数を多く抱えるほか、仮想通貨取引量も大きいシェアを占めていると指摘。

PoW銘柄などを禁止する仮想通貨法案「MiCA」はイノベーションを阻害するリスクがあるとして、懸念を示した。

MiCAの投票は欧州時間14日に行われる予定。業界関係者はビットコインやイーサリアムの禁止が大きな打撃を与えるとして、反対の声を挙げている。

関連: EU議会、14日投票の「仮想通貨法案」にPoW禁止条項を再追加

センチメントと取引量の相関性

また、Crypto QuantのオンチェーンアナリストであるGrizzly氏は30日足のビットコイン日間取引量は投資家センチメントと相関性があると指摘。SNS上のメンション数の増加に応じて、ビットコインの流通量も増加する傾向があるため、投資家が売りの機会として捉えている可能性があると分析した。

なお、ビットコインの流通供給量は21年1月以降から減少傾向にあり、これもBTCのマイナーポジション指数(MPI)も低下を続けている。先物市場の過熱感がおさまれば、底値も見えてくると考察した。

MPI指標の増加は、マイナー群のBTC売却を示唆するため、価格の下落を示す傾向にある。

マイナーポジション指数(MPI)とは

BTCマイナーのアウトフロー(売却額)を総マイナーを過去365日間のアウトフロー(MA)で割って算出する指標。指標の高数値はマイナーのウォレットからの出金が増え、ビットコインを売却していることを示す。

▶️仮想通貨用語集

インフレ関連のメンション数が急増

なお、仮想通貨分析プラットフォームSantimentは、インフレや米連銀(FRB)に関するメンション数が急増していると指摘。今週15日〜16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利引き上げが想定されており、仮想通貨市場への影響が想定されている。

関連:FOMC目前の仮想通貨市場、ウクライナ情勢巡り乱高下も

マイナー保有量は減少

ビットコイン・ネットワークのマイナー保有量は過去12年間で最低値を更新。ハッシュレートと難易度が増加する中、マイナーがコスト補填のためにBTCを売却しているとInto the Blockは分析した。

イーサリアムのオンチェーン・データ

イーサリアム(ETH)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

ETH2.0 ステーキング額

ステーキング額:998万ETH(前週比+10万ETH)

beaconcha.in

glassnodeによれば、この内66%は取引所やステーキングサービスなど、個人投資家以外の企業などが占めている。Lidoの預入量が全体の22%を占めていると分析。コインベースは2位(15%)にランクインした。

関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

バーン数

イーサリアム・ネットワークのバーン数は14日、前週比で20,029ETH増加。通算バーン量は197万ETHに達した。

参照:Watch the Burn

ETH取引量の低下に伴い、イーサリアムのバーン量は2月下旬から200万ETH目前で足踏み状態が続いている。

DeFi(分散型金融)

DeFiプラットフォームのTVLは14日時点で1,987億ドル(23.3兆円)だった。

出典:DeFi Llama

TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。

クリプト指標

           
日程 指標

3/14

ビットバンク Boba Network(BOBA)新規上場(詳細

3/14

Zaif コスプレトークン(COT)新規上場(詳細

3/14

欧州議会、仮想通貨法案「MiCA」の投票(詳細

前回の週次レポートはこちら:ビットコイン今年初のマイナス難易度調整、イーサリアムの累計バーン量200万ETH目前に

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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

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