ビットコイン反発、米コインベースからの週間純流出は過去最高の1400億円規模に

世界情勢と仮想通貨市況

米株式市場が大幅反発。ダウ平均株価は、前日比599ドル10セント(1.8%)高と続伸した。

ウクライナ情勢を巡り急騰の続いた原油先物価格の下落で、投資家の不安心理が後退した。戦時下にあるロシアとウクライナによる停戦交渉の進展に一定の期待を反映したものであるが、事態は深刻化しており予断を許さない。

明日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えており、タカ派に傾倒するFRB(米連邦準備制度)の金融政策姿勢に市場の関心が集まる。

インフレが高止まりすれば実体経済に深刻な影響を及ぼすことが懸念されるため、インフレ抑制の観点から25ベーシスポイント(bp)の利上げは織り込み済みだ。焦点は、金融引き締めの加速について踏み込んで示唆するかどうかとみられる。

16日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格が前日比+5.4%の484万円(41,088ドル)と反発した。

BTC/USD日足

この上昇で直近の保ち合い上抜けに成功しており、46,000ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)をブレイクできれば、トレンド転換が認識される可能性もあるか。だだし、昨今ではウクライナを巡る趨勢が金融市場に及ぼす影響があまりに大きく、錯綜するヘッドラインに揺さぶられるようにして急騰・急落(全戻し)を繰り返すなど相場の不確実性リスクが高い状態にあることは念頭においておきたい。

16日にかけて、地政学リスクの高まりに伴い高騰していた原油や金(ゴールド)が大幅反落する中、米株指数や仮想通貨市場は反騰した。一方、複数の主要通貨に対する米ドルの為替レートを指数化したドル指数は依然として高水準にある。

米ドル指数

オンチェーンデータ分析

ZyCryptoが確認したWhale Alertのデータによれば、先週CoinbaseProから約30,000BTCが外部送金された。3つのトランザクションで発生し各10,000BTCほどだったという。

CryptoQuantのデータによれば、主要取引所内に保有された暗号資産(仮想通貨)準備金は、過去2ヶ月間で減少の一途を辿っており、数年ぶりの低水準に至った。コールドウォレットなどへのアウトフローの増加は、取引所内の売却行動から遠のくことから、売り圧力の低下と見なすことができる。

Glassnodeのデータを参照すると、最大手取引所の米コインベースが保有するビットコイン(BTC)量は、20年4月の過去最高値と比較して375,000BTC(36.6%)減となった。

今週だけで、週間で過去最高水準となる計31,130BTC(1400億円規模)の純流出を記録した。

Glassnode

これについてGlassnodeは、機関投資家が、ビットコイン(BTC)を現代的なポートフォリオに組み入れている強力なシグナルであるとの見立てを示している。

また、Real Visionのbotデータによれば、資産運用するポートフォリオの配分比率は、ビットコイン(BTC)が50.1%、イーサリアム(ETH)が35.1%、テラ(LUNA)が9.4%、コスモス(ATOM)が5.37%と続いた。

Real Vision botは、金融コンテンツプラットフォームReal Visionからプロトレーダーなど専門家のシグナルを収集した上、週2回のトレーダーの感情調査(群集心理)を加味して運用するもの。クオンツアナリストおよびヘッジファンドのMortiz Seibert CEOによって共同開発された。

MortizSeibert氏は、暗号資産(仮想通貨)の経済圏で他のエンティティを打ち負かすことができる「ハイブマインド(集合精神)」の一種だと説明する。

Real Vision Botは元々、最新の人工知能を利用した「The Netflix of Finance」(Real Vision) に関する金融市場の専門家へのインタビューから、分析および学習する研究プロジェクトとしてスタートした。

暗号資産上位20銘柄のベンチマークを20%以上アウトパフォームしていることで注目を集めた。

関連:「NFTを国の成長戦略に」自民党デジタル社会推進本部・平将明議員インタビュー

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