カルダノ、120億円規模の新ファンド「ADA Yield Fund」が誕生
カルダノに新ファンドが設立
デジタル資産の投資運用会社であるWave Financialは30日、カルダノのDeFi(分散型金融)プラットフォームに向けて流動性供給の支援などを行う「Wave ADA Yield Fund」を設立したことを発表した。
Waveは、暗号資産(仮想通貨)業界の「有望な起業家を初期段階から支援し、仮想通貨エコシステム全体における、より大きなイノベーションを促進する」というミッションを掲げる企業。
今回設立された「ADA Yield Fund」というファンドの規模は1億ドル(120億円)となっており、カルダノ基盤のDEX(分散型取引所)などに対して数億円規模の流動性提供をしていく予定。
また、その他にもレンディングプロトコルに対する流動性の提供や、ネットワークのセキュリティを担保するステークプールの支援と拡張なども進める見込みとなっており、カルダノのDeFiエコシステムの拡大に向けた投資を行っていく。
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今回の発表にあたって、元イーサリアム(ETH)共同創設者であり、カルダノの創設者として知られるチャールズ・ホスキンソン氏は、「カルダノベースのプロジェクトが繁栄することはエコシステムの成功に不可欠であり、ADA Yield Fundが継続的な成長と市場受容を促進するために多額の資金を投入してくれることを嬉しく思う」と述べた。
また、カルダノ初期支援者のVCファンドであるEMERGOは、同ファンドの立ち上げを支援しており、創設者兼CEOを務める児玉健氏は「ファンドを通じて戦略的な資本リソースを提供することで、才能ある起業家やプロジェクトがCardano上で不可欠なDeFiサービスを構築し、最終的にインパクトのあるソリューションを提供し、グローバルなCardanoコミュニティに多くのユーザーを取り込むことを支援します」とコメントしている。
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カルダノのDeFi進捗
パブリックL1チェーンのカルダノでは、21年9月に行われた大型アップグレード「アロンゾ」によってスマートコントラクト機能が搭載され、DeFi分野がスタートした。
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既に数々のdApps(分散型アプリケーション)が登場したり、ブリッジソリューションの「ERCコンバータ」やスケーリングソリューションである「Hydra」の開発が進むなど、さまざまな進捗を見せている。今月29日にはEVM互換のサイドチェーンである「Milkomeda」がローンチされ、イーサリアムのERC20トークンとカルダノ基盤トークンの取引などが可能となった。
ミルコメダは今後、ソラナ(SOL)やテラ(LUNA)、アルゴランド(ALGO)といった複数のチェーンに対応することも予定しており、イーサリアムのプログラム言語「Solidity」で設計されたdAppsを複数のチェーンに展開するためのサポートをする。
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