欧州議会、仮想通貨の自己管理型ウォレットに関する規制を承認
自己管理型ウォレットも監視対象に
欧州議会は3月31日、暗号資産(仮想通貨)の自己管理型ウォレットを規制対象にする法案の条項を承認した。
この規定は全ての仮想通貨取引において送受金者の情報を収集することを義務付けており、自己管理型ウォレットもマネーロンダリング対策(AML)の監視対象となることを意味する。取引所らのサービスプロバイダーは、自己管理型ウォレットを使った送金の場合にも送受金者の情報を収集することが義務付けられるという。
自己管理型ウォレットとは
取引所などではなく、自分で秘密鍵を管理して資産を保有するために使用するウォレットのこと。「自己ホスト型」や「セルフカストディ型」などと呼ばれることもある。
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今回の法案の投票が行われることは事前に明らかになっており、米仮想通貨取引所コインベースらが内容に懸念を示していた。同社のPaul Grewal最高法務責任者は28日のブログで、「改正案が採択されれば、取引所に対する監視体制が徹底的に強化され、自己管理型ウォレットへの送金を全面的に禁止する可能性さえ浮上する」と指摘。投票前に、仮想通貨コミュニティからの声を議員達に届けようと呼びかけていた。
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自己管理型ウォレットを規制対象にする条項の投票では、賛成が58票で反対が52票、棄権が7票だった。今回の法案については仮想通貨業界が懸念しているが、欧州理事会ら当局のメンバーからも反対の動きが起こるとの見方も上がっている。
この条項が含まれる法案が正式に議決されるには、欧州議会と欧州理事会、欧州委員会の三者協議が必要。この協議は早ければ4月中旬に行われると報じられている。
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