Near Protocol、ステーブルコイン「USN」のリリース準備段階か=The Block
Near独自のステーブルコイン
L1ブロックチェーン開発プロジェクト「Near Protocol」で、米ドルの価値に連動するステーブルコイン「USN」が開発されているようだ。関係筋の情報としてCoinPost提携メディアThe Blockが8日に報じた。
関係者がThe Blockに語ったところによると、ステーブルコインUSNの開発は進行しているものの、現在のところリリースに関する具体的なスケジュールは内部で共有されていないという。また、一部で期待されているようなTerraUSD(UST)と並ぶような高利回りの実現性も定かではない。
事の発端は、米VCであるZorax Capital社のZoran Kole創設者のブログと見られている。同氏は「Near Protocolが資本力のある他のステーブルコインと提携し、アルゴリズム型のステーブルコイン『USN』をローンチすることを4月20日に発表する」と、7日の投稿で述べた。DeFi(分散型金融)におけるUSNの運用で20%前後の年換算利回り(APR)が見込まれるとも強調した。
さらに、Near上の主要な分散型取引所である「Ref Finance」のテストネットで流動性プールにUSNが導入され、USDコイン(USDC)、テザー(USDT)、ダイ(DAI)といったステーブルコインと共に表示されていることもSNSに上がっている。しかし、これは開発チームの公式情報ではなく、あくまでテストネットを閲覧したユーザーによる発信だ。
今月初めにNearは430億円規模の資金調達を実施したばかり。このラウンドは米NY発の大手VC Tiger Globalが主導し、Republic Capital、FTX Ventures、 Hashed、Dragonfly Capital、ParaFi Capital、Blockchange Ventures、MetaWeb.vcが参加した。さらに、今年1月にもNear Protocolは資金調達を実施しており、シンガポール大手仮想通貨ヘッジファンドThree Arrows CapitalやDragonfly Capitalやa16zなどから約170億円を調達していた。
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無担保型ステープルへの注目が高まる
仮想通貨市場では、過去数か月間にアルゴリズムを採用する「無担保型」ステーブルコインに対する注目が高まっている。
ステーブルコインは主に「法定通貨担保型」「仮想通貨担保型」「無担保型」の3つに分類されるが、無担保型は他の2つと異なり価値の裏付けに担保を必要としない。そのため資金効率が良く、さらにはアルゴリズムによる価格安定メカニズムの手数料を「シニョリッジ(通貨発行益)」として蓄積できるなどのメリットがある。
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無担保型ステーブルコインの代表例がテラ(LUNA)ブロックチェーン上の「TerraUSD(UST)」だ。USTは価格を一定に保つためにアルゴリズムを活用し、ガバナンストークンのLUNAとUSTをそれぞれ発行・バーン(焼却)することで供給量を調節し、価格を維持する。CoinGeckoのデータによると、USTはステーブルコイン銘柄としては時価総額4位を誇る(執筆時点)。
22年2月には1,100億円を資金調達してUSTの価格維持をサポートする準備金を設置し、ビットコイン(BTC)を組み入れた。Terraform Labs社のDo Kwon共同創設者は、シニョリッジを使用して約3,600億円分のBTCを短期で確保する意向を表明。テラ(LUNA)の非営利組織「Luna Foundation Guard(LFG)」は6日時点に35,767.98BTC(2,000億円相当)を保有している。
別のアルゴリズム型ステーブルコイン「FRAX」を発行するFrax Financeも、準備金にイーサリアム(ETH)をはじめとするL1ブロックチェーンの仮想通貨の導入を検討している。
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