ビットコインSOPRから探る相場の下値余地、週間出来高は昨年7月以来の低水準に
仮想通貨市況
米株市場ではダウ平均株価が前日比249.59ドル(0.71%)高と反発。ハイテク株中心のナスダック指数は、動画配信サービス大手ネットフリックスの暴落が他グロース銘柄にも響き、166.59ドル(1.22%)安となった。
東京株式市場では、日経平均株価は前場時点で前日比329.39円(1.21%)高に。時間外取引で米株価指数先物が上昇したことも後押しした。
21日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は、前日比+0.48%の535万円(41,647ドル)で推移している。
Arcane Researchのデータによれば、ビットコイン(BTC)の取引高は昨年7月同等の低水準に留まっている。 ビットコイン(BTC)現物の週間平均出来高は、約30億ドルにまで減少した。オンチェーンアリストのghoddusifar氏が、BTCホルダーの利益率を表す「SOPR(Spent Output Profit Ratio)」を元に相場の底を考察した。
SOPRメトリックは、ブロックチェーン上のコインの履歴を評価。受金時の購入価格と送金時の売却価格の差分から算出するもので、SOPRの低下は投資家が損失確定して売却(損切り)したことを意味する。
そのため、過去数年間のSOPR傾向からは、損益分岐点にああたる閾値の「1.0」は、相場の反転ポイントを探ることができる。ホルダーの入れ替わりは上値の軽さにもつながりやすく、高値圏で買ったホルダーの降伏(損切り)は、売られすぎ水準にある中で底打ち反転シグナルの一つと言えるからだ。
SOPR比率が1.0を明確に下回ったのは過去3回。 2015年と2018年12月、2020年3月だ。
2018年12月は、2017年の仮想通貨バブル崩壊後、ビットコインキャッシュ(BCH)のハッシュ戦争が発生し、ビットコインが重要サポートライン(下値支持線)を底割れ、3000ドル台前半まで下落した。2020年3月はコロナ・ショックで金融市場全体が暴落。
ビットコイン(BTC)は3000ドル台まで大幅下落した。
現在のSOPR値は1.31であり、下値余地があるとの見方も出来る。
短期保有者(STH)のSOPR比率は、昨年11月にマイナス域に転じた。
Glassnodeのアナリストによれば、推定比率のメトリクスにおいてLTH(長期保有者)が保有するビットコインポジションの内、15.2%が現在含み損にある。
また、50,000ドル〜60,000ドルの価格帯で買いを入れたSTH(短期保有者)に関しては、すでに大半が損切りしてポジションをクローズした。LTHとSTHは、155日間の閾値で分類される。
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アルトコイン市場の動向
20日には、「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」関連トークン「ApeCoin(APE)」が、一時前日比+15%と急騰する場面があった。
新たに設立された財団Ape FoundationによってBAYC関連ホルダー向けにエアドロップされたAPEは、ApeCoinプロジェクトのガバナンストークン。BAYCのデベロッパーであるYuga Labsに関連するメタバース(仮想空間)Othersideを巡る言及が思惑買いを呼んだか。
これに先駆け、BAYCと提携してP2Eゲームを開発するWeb3.0大手のアニモカブランズは、「ブロックチェーンゲームBenjiBananasで、APECoinを利用してNFTを購入できる」ことを発表していた。
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また同日、米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースで、イーサリアム(ETH)のL2ソリューションを開発するOptimismの独自トークンに関する価格情報が一時公開されたことがわかった。
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