米リップル社、炭素市場(カーボンマーケット)に1億ドルの投資を発表
129億円を投資
米リップル社は19日、炭素市場へ1億ドル(約129億円)を投資する方針を発表した。炭素除去に取り組む企業や気候変動対策に取り組むフィンテック企業などへの出資が行われる。
地球温暖化対策が加速するなか、今回の投資は同社の掲げる、2030年(あるいはもっと早い段階)までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を実現計画の達成に向けての動きだ。
発表によると「付加的で長期的かつ、自然や科学に基づいた炭素クレジットのポートフォリオ」の構築が行われるという。
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炭素クレジットをトークン化
投資資金は、XRP Ledger(XRPL)上の主要NFTとして炭素クレジットをトークン化するための機能と、開発者向けツールのサポート継続にも使用される形だ。世界有数の環境気候変動・自然保護団体との提携も継続するという。
リップル社は、気候変動に関する目標を達成するためには、炭素市場におけるプロジェクトの検証と認証のための強化されたメカニズム、価格と市場データの透明性の向上、そして買い手と売り手双方のためのインフラの改善が必要と説明。
ブロックチェーンと仮想通貨が、市場の成長や有効性に対する多くの障壁に対処することができると解説している。
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、炭素市場への投資について、以下のようにコメントした。
リップルの1億ドルのコミットメントは、革新的な技術、戦略的資本、人材などのリソースを気候変動への対策に充てるという世界中の企業に求められている呼びかけに応じるものです。
排出量を削減し、低炭素の未来に移行することは最重要課題ですが、炭素市場の活性化もまた、気候変動目標の達成において重要です。ブロックチェーンと暗号資産は、断片的で複雑な市場にさらなる流動性と可視性をもたらすことで、炭素市場の可能性を最大限に発揮させることができると考えます。
リップル社は、エネルギーウェブ財団やXRP Ledger Foundationなどの独立系NGOパートナーと協力し、2020年にXRPLの脱炭素化に成功した。同社は、現在のペースでプロジェクトが進行した場合、2028年までに全体のカーボンニュートラルを達成できる見込みとしている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します