Multicoin Capital、弱気相場で過去最大規模の新ファンドをローンチ
Multicoin最大のVCファンド
大手暗号資産(仮想通貨)VCファンド「Multicoin Capital」は12日、新たなファンド「Venture Fund III」の設立を発表した。
Multicoin Capitalは、Web3の採択を主流化させるプロジェクトに特化した業界でも有数の大手投資ファンド。従来のテーマ投資とは違い、特定の重点分野が長期視点でどうなるかを予測して、それに見立てた投資を実行する「テーゼ型投資」を行うプラットフォームとなっている。
ベンチャーファンドIIIの投資対象
ベンチャーファンドIIIの規模は4.3億ドル(約590億円)規模。50万ドル(6,800万ドル)から2,500万ドル(34億ドル)規模の初期ステージ企業から1億ドル(136億ドル)規模の大規模プロジェクトに焦点を置く。
ベンチャーファンドIIIの規模はこれまで同社の提供してきたファンドに比べても、過去最大の運用額を誇る。
投資対象は現実世界で可視化できる仮想通貨プロトコルを搭載している、以下の性質を持つプロジェクトだと説明した。
- パーミッションレスな形で誰でもインセンティブ体制を提供するプロジェクト(Proof of Physical Work)
- データを集約することで価値を提供するプロジェクト(DataDAO)
- クリエイターのマネタイズ化(Creator Monetization)
- コンシューマ向け製品
- IP(知的財産権)を活用した新たな事業モデル
- Web3インフラ
- オープンな金融
- インド
- DAOツール
ファンドの詳細
CoinPost提携メディアThe Blockの取材に対して、Multicoin Capitalの共同設立者であるKyle Samani氏はファンドの資金調達は21年年4Q(10月〜12月)から22年1月にかけて実施したと説明。資金は共同設立者であるSamani氏とTushar Jain氏が提供し、同ファンドの従業員も数名がリミテッド・パートナーシップ(LP)として参画したという。
なお、ベンチャーファンドIII運用額の内、三分の一は既に投資済みだとSamani氏はコメント。Multicoin Capital全体の運用額(AUM)は現時点で数十億ドル(数千億円)規模に達しており、既に以下のプロジェクトなどに出資している。
- Helium
- Hivemapper
- Delphia
- Metaplex
- Audius
- Strata Protocol
- FanTiger
- LivePeer
- The Graph
- Ceramic
- Fluence
- BetDEX
- DFlow
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