Uniswap、NFTの自動マーケットメーカー「Sudoswap」統合へ
UniswapのNFT展開
DEX大手Uniswapが、NFT(非代替性トークン)のAMM(自動マーケットメーカー)プロトコル「Sudoswap」の統合を進めている事が明らかになった。執筆時点にデイリー取引量約38億円(2,800万ドル)規模のNFTマーケット参入に向けて準備を進めているようだ。
Uniswapの開発企業Uniswap Labsは、NFT電子市場アグリゲーター「Genie」の買収を6月に発表したばかり。今秋にもUniswap上で複数の電子市場を介したNFT取引が可能になる。
今回明らかになったのは、UniswapのNFT取引機能を介してSudoswapに設置された流動性プールにアクセスできるようになること。Genieの創設者で、現在はUniswap LabsのNFT製品責任者を務めるScott Gray氏が明かした。
Sudoswapは7月9日にリリースされたNFTに特化したAMM。NFTコレクションの流動性プールを作成でき、3つの価格設定モデルを使ってNFTを販売できる。
- 価格カーブに沿って徐々にNFTを売買する。
- プールに流動性(トークン+NFT)を提供し、手数料を得る。
- 固定価格でNFTを出品する。
自動マーケットメーカーとは
自動マーケットメーカー(AMM:Automated Market Maker)とは、自動価格決定メカニズムを内蔵することでスマートコントラクト上でトークンの即時交換を実行する仕組み。各プールの流動性が大きいほど、スリッページは僅少になる。
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Sudoswapとは
Dune Analysissでの集計データによると、7月26日時点で分散型NFTマーケットプレイス「Sudoswap」の通算取引量は約1.5億円(116万ドル)。1454の流動性プールが設置されている。主な市場としては、BAYCのメタバース「Otherside」の土地NFT「Otherdeed」を始め、ForgottenRunesWizardsCultや0xmons.xyzなどのゲーム関連のNFTが中心となっている。
現在のNFT市場は、買い手と売り手をマッチングする大手プラットフォーム上での取引が主流だ。代表的なOpenSeaは手数料に5~7.5%(2.5%+ロイヤリティ)かかるのに対し、Sudoswapは0.5%と手数料が低く、市場間競争を加速させる可能性がある。
またSudoswapはガス効率も優れ、NFTの一括購入時に最大40%コストを削減するという。取引は完全にオンチェーンで実施されるため、中央管理型のプラットフォームに依存することなく、誰でもイーサリアム(ETH)だけでNFTの流動性にアクセスできる。
将来的にSudoswapはゲーム内アイテムやキャラクターに使用される「ERC-1155トークン」や、トークンセールで使用される「ボンディングカーブ」、様々なERC20トークンを使った決済対応、その他のAMM管理インフラを実装する計画。
Uniswapは過去24時間の取引高が約1,600億円(11億7500万ドル)で、市場で最大の分散型取引所。データサイトCrypto Feesによると、プロトコルが獲得した手数料収益はイーサリアムの2倍を超えて注目を集めた。
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