米SEC、コインベースのステーキングサービスなどを調査
SECや州当局からの調査召喚状
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは9日、第2四半期(4~6月)の決算報告書に伴う書類で、米証券取引委員会(SEC)から調査を受けていることを報告した。
コインベースに対しての法的手続きを説明する箇所で次のように開示している。
コインベースは、SECや、様々な州の規制当局から調査召喚状を受け取っている。それらは運営体制、上場資産、ステーキングプログラム、ステーブルコインや利回り生成商品など既存および将来リリースを検討する商品の一部に関する情報を要求するものだ。
コインベースはこうした調査には「全面的に協力していく」と述べた。また経営陣の見解として、こうした調査の結果コインベースに不利な判断が行われた場合に「事業、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重要な悪影響を及ぼすと思われる」ような事例は現在上がっていないという。
SEC(証券取引委員会)とは
1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。SECは「Securities and Exchange Commission」の略で、日本では「証券取引等監視委員会」が近い役割を担っている。。
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経緯
7月には、コインベースが未登録証券を提供していたかどうかについてSECが調査しているとの報道があった。今回の開示により、SECによる調査の存在が確かめられた格好だ。
同7月、米司法省は、コインベースの元従業員らが仮想通貨のインサイダー取引で逮捕されたことを発表。元従業員らは、同取引所への上場が予定されているが、まだそのことが公表されていないトークンを大量購入していたとされる。
少なくとも25銘柄でインサイダー取引が行われていたとされるが、SECはこのうちAMP、RLYなど9銘柄を「有価証券」だと指摘していた経緯がある。SECは、被告の不正行為に証券詐欺罪も加えた。
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コインベースの反論
インサイダー取引をめぐるSECの動きを受けて、コインベース側はすぐに有価証券は上場していないとのブログ記事を発表。「SECが証券詐欺の告発を行うという決定に同意しない」として、次のように説明していた。
SECの告発に含まれる9つの資産のうち7つは、現在コインベースのプラットフォームに上場している。これらの資産はいずれも証券ではない。コインベースは、私たちの取引所で利用可能にする前に、各デジタル資産を分析・検討する厳格なプロセスを持っており、そのプロセスはSEC自身も監督している。
また、コインベースがSECの調査に協力したにも関わらず、SECは7つの銘柄の有価証券問題についてコインベースと対話を行うという段階を踏まず、直接訴訟に踏み切ったと訴えている。
コインベースは、こうしたことにより「米国にはデジタル資産証券に関する明確でうまく機能する規制の枠組みがない」という問題にスポットライトが当たったと続けた。
SECは「包括的で透明性のある方法で規則を作る代わりに、こうした単発の強制措置に頼って、証券でない資産も含め、すべてのデジタル資産をその管轄に入れようとしている」と批判する格好だ。
コインベースは7月、SECに対して仮想通貨の管理に適した「実行可能な規制の枠組みの開発」を求める嘆願書を提出している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します