米コインベース22年Q2決算、想定超える売上悪化で1400億円超の赤字に

予想を上回る損失

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは9日、2022年第2四半期(4月~6月)の決算報告書を公開。1,479億円(10.94億ドル)の純損失を計上し、コインベースの株価は同日の通常取引で前日比約11%下落した。今年3月以降の下落率は-55%に達する。

22年第1四半期の純損失は581億円(4.3億ドル)で、アナリストは当期の損失を5億4,600万ドルと予想していたが、実際はその2倍の損失となった。コインベースの純収益は1,086億円(8億300万ドル)で、前四半期から35%減少。前年同期比では61%の減少となった。

月間取引ユーザー数は、前四半期の920万人から当期は900万人に減少。総取引高は29兆3,420億円(2,170億ドル)で前四半期の3,090億ドルから約30%減、前年同期比(4,620億ドル)では大幅に減少し、約半分になった形だ。

プラットフォーム上の資産は前四半期(2,560億ドル)から63%減少し、12兆9,809億円(960億ドル)となった。

コインベース(Coinbase)

コインベースは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く仮想通貨取引所。創業は2012年。世界最大手の民泊サービスのエンジニアを経験した人物と、大手証券会社の為替ディーラーを経験した人物が共同で事業を立ち上げ、短期間で仮想通貨業界のトップベンチャーとなった。2021年4月に米ナスダック市場に上場、同年8月に日本人向けのサービス提供を開始した。

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取引資産の割合

コインベースの総取引高2,170億ドルの内訳を見ると、460億ドルが個人投資家で、1,710億ドルが機関投資家によるものとなっている。(取引高では2:8の割合)一方、プラットフォーム上の資産で見ると個人投資家の資産470億ドルに対し、機関投資家は490億ドルとほぼ拮抗している。

仮想通貨別ではビットコインが取引量の31%、イーサリアムが22%、その他が47%で、取引手数料からの収益も同様となった。プラットフォーム上の資産ではビットコインが44%、イーサリアムが20%、その他が29%、法廷通貨が7%となっている。

コインベースの強みと今後

米フォーブズ誌はコインベースのQ2決算に関して、「赤字の洪水にもかかわらず、コインベースは”エースのカード(切り札)”を持っている」と評している。それは、8,370億円(62億ドル)の現金を保有しており、前四半期からほとんど変化していないことだという。

米大手投資管理会社Morningstarの株式アナリスト、Michael Miller氏は、コインベースは仮想通貨相場の下落により、コスト構造で追い詰められているが、「非常に強力なバランスシートで、この仮想通貨の低迷期に突入した」と述べている。

また、米大手取引所FTXのSam Bankman-Fried CEO(通称サム)は、コインベースのQ2決算に関する感想をツイッターで発信。コインベースは自社の強みをよく認識しているとコメントするとともに、経費が経営を圧迫している状況を説明した。

コインベースの取引手数料からの当期の収益は6億5,520万ドルで、総収益の80%以上を占めているが、これこそが、コインベースが得意とするところだとサム氏は指摘。一方、コインベースは約5,000人の従業員を抱え、人件費(給与・ボーナス・その他)が経費の大半を占めると推測している。

サム氏はQ2決算を年間決算に換算し、ざっと以下のような概算を弾き出した。

  • 実質的な純収益は25億ドル(モバイルアプリの取引手数料が90%程度)。
  • 従業員報酬が44億ドル
  • その他経費10億ドル
  • 株式ベースの報酬を含めると、年間約30億ドルの損失。

その上で、コインベースが6月に18%に上る大幅な人員削減に踏み切ったことに言及し、「従業員数の変化が今後の収益にどのような影響を与えるか、興味深い」と述べた。

サム氏は、コインベースの業績はFTXよりも市場のセンチメントに大きく影響を受けるため、マクロ環境の変化があった場合、「回復基調では大きく上昇する」と締めくくった。

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