米コインベース、SECに仮想通貨規制策定の嘆願書を提出

新たな規則が必要

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは22日、証券取引委員会(SEC)に対し、現行の証券取引法は仮想通貨の管理には適していないとして、「実行可能な規制の枠組みの開発」を求める嘆願書を提出した。

嘆願書を執筆したコインベースのFaryar Shirzad最高政策責任者は、証券として分類される仮想通貨は「安全で効率的な実務の指針となる新たな規則書を必要としている」と主張。さらに「証券ではない仮想通貨は、このような規則の枠外にあるという確実性を必要としている」と付け加えた。

Shirzad氏は、1930年代に制定された証券取引法および同法に基づいた最高裁判例は、「分散型で、暗号技術を基盤とした自動化された金融商品」が世界中で取引される市場を想定したものではないと指摘。不適合な法律の適用を試みた場合、以下のような問題が生まれると主張した。

  • 証券に該当する仮想通貨のための規則がない
  • リアルタイムの取引は不可能(仲介業者と取引プロセス)
  • ブローカーなしに個人が直接取引することは事実上不可能
  • ブロックチェーンを信頼性のある取引記録として活用できない

しかし、SECは仮想通貨証券に関する新たな規則づくりには消極的である一方で、法の執行を優先するアプローチを取ってきたと指摘。このようなSECの姿勢は仮想通貨証券市場の発展を阻害し、投資家による資金調達やベンチャー企業投資のための仮想通貨利用を妨げていると批判した。

中でも「最悪の事態」は、連邦政府内でもXRPが証券に該当するか意見が分かれていたにもかかわらず、SECがリップル社に対する訴訟に踏み切り、「投資家に甚大なリスクをもたらしたことだ」と非難した。

ルールの欠如は大きな機会損失

Shirzad氏は米Fortune誌への寄稿で、暗号技術が投資家保護に関して、多くの問題を解決できるのにも関わらず、既存のSEC規則では、取引をより安価に、簡単にかつ確実にするといった「仮想通貨の利点を不可能にするような要件」が課せられており、大きな機会損失に繋がっていると批判した。

同氏はまた、SECが仮想通貨規制の策定を拒否している間に、欧州連合、英国、シンガポール、日本やオーストラリア、ブラジルなど、米国外の主要国では「新しい実行可能な仮想通貨規制」を着々と進めており、このままでは米国が大きく遅れをとることになる可能性があると、懸念を表明した。

従業員のインサイダー取引

奇しくも最高政策責任者による嘆願書提出と同日、コインベースのPaul Grewal最高法務責任者は、同社の元従業員によるインサイダー取引に使用した仮想通貨の一部が有価証券に当たるいうSECの主張に強く反論した。

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同氏によると、SECはインサイダー取引とは別途、証券詐欺罪でも被告を起訴したが、司法省は検討の結果、証券詐欺罪では告訴を行わない方針だという。

SECは9つの銘柄を有価証券であると主張しているが、そのうちの7銘柄はコインベースに上場している。Grewal氏は仮想通貨が有価証券に当たるかどうか、厳格な分析および検証を行なっており、当該銘柄は有価証券に当たらないと主張した。

同氏は、SECが「規制当局の最も基本的な役割」である明確な規制づくりを怠っているとして、次のように批判した。

SECによる告訴で、米国にはデジタル資産証券に関する明確かつ実行可能な規制の枠組みがない、という重要な問題を浮き彫りにした。SECは、包括的で透明性のある方法で規則を策定する代わりに、この種の単発の強制措置により、証券ではない資産も含むすべてのデジタル資産をその管轄に入れようとしている。

インサイダーとは

インサイダーとは、会社の内部者しか知り得ない重要な情報を知る者が、知り得た情報に基づいて、その情報が公表される前にその会社の株式を売買すること。

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